研究課題/領域番号 |
20K10015
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
武本 真治 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (70366178)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 軟組織適合性 / インプラント周囲炎 / チタン / 酸化反応 / 電気化学反応 / 化学修飾 |
研究実績の概要 |
歯科用インプラントの開発は、顎骨に埋入される部位(インプラント体)が骨と早期に結合させることを目的としたものが大部分であった。特にその表面処理して、ブラストや酸処理による物理化学的表面処理や骨伝導を促進するリン酸カルシウムのコーティングによる表面改質法が検討されてきた。 一方で、埋入後のインプラント周囲炎の予防のためにはインプラント体もしくはアバットメントと軟組織との接着を促進する材料表面を構築し、生物学的封鎖性が重要である。本研究では、そのような表面改質を目的として種々の検討を行った。 スタチン系薬剤は骨形成を促進することが知られており、本研究ではそのスタチン系薬剤をチタン表面に固定して、部分的に炎症が起こった際に徐放できるシステムを構築している。一方で、スタチンを固定および徐放をある程度制御しても、その固定量が少ないため持続性には問題が生じていた。 本研究では、チタンの表面処理として過酸化水素水での表面処理を応用して、スタチン系薬剤を固定する方法についてアルカリ処理との比較により検討を行った。その結果、過酸化水素水で3時間以上表面処理するとスタチン系薬剤の固定量が増大する傾向にあることが明らかになった。また、フッ化物溶液中での電気化学的反応から、チタンが腐食とともに新鮮面が形成されることを応用する試みとして、チタン合金(Ti6Al4VおよびTi7Nb6Al)についても検討した。その結果、チタン合金表面での腐食(酸化)反応がチタンと比較して進行しやすいことが明らかになった。 これらのことを応用して次年度、表面処理したチタンをラットの背部皮下に埋植し、その組織反応について検討を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
チタンの表面処理を行って表面分析を行っていたが、COVID-19の影響で装置使用に規制がかかったため、進行顔告れた。
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今後の研究の推進方策 |
ジルコニアに対しても予備実験を行っているが、チタンと比較して反応性が低いため、その表面処理についても検討を進める。滞っている動物実験については、前期から進める予定としている。
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次年度使用額が生じた理由 |
国際学会への参加ができるようになると、旅費が生じる。
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