研究課題/領域番号 |
20K10030
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
犬飼 周佑 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (90436650)
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研究分担者 |
和田 淳一郎 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (20611536)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 部分床義歯 / ナイトデンチャー / 睡眠時ブラキシズム / 歯の動揺度 |
研究実績の概要 |
ナイトデンチャーの効果のうち,主に残存歯保護効果について検証するため,ランダム化比較研究を立案した. 咬合支持域の減少した部分床義歯(以下,RPD)装着者に対して,睡眠時ブラキシズム(以下,SB)の有無を筋電図を用いてスクリーニングし,SBを有する者を,ナイトデンチャー装着群(介入群),非装着群(対照群)に無作為に割り付けを行うこととした.評価項目は,メインアウトカムとして,RPDの支台歯の動揺度,副次アウトカムとして,支台歯周囲の骨密度変化および筋電図上でのSBの程度の大小,とした. パイロット試験として,30名の被験者を取り込み,データ採得を開始した. ナイトデンチャーは,残存歯の咬合面を被覆するオクルーザルスプリント部と,欠損部顎堤を最小限被覆する有床部からなる.補強線を付与することで強度を高め,咬合様式として両側性平衡咬合を付与した.また維持力を得るために,必要に応じてクラスプを設定した.患者には就寝前に口腔清掃を徹底した上で,ナイトガードを装着し就寝し,起床後は速やかにナイトデンチャーを外し,ナイトデンチャーは洗浄した上で水中保存するよう指示した. 歯の動揺度の評価には,ペリオテストを用い,骨密度評価には2枚のエックス線写真の重ね合わせにより骨密度変化を評価するデジタルサブトラクション法を応用した.SBのスクリーニングには,BiteStripを用い,最大咬合力の30%以上の筋力が発揮された回数が,睡眠中に61回を超える場合を,「SBあり」と判定した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
被験者の取り込みは完了しており,データも回収されつつある.COVID-19の影響もあり,完全に予定通りとは言えないため,「(2)おおむね順調に進展している」を選択した.科研費申請期間内に一定の成果を上げられるものと考えられる.また補助的なデータからも有用な情報(ナイトガードの為害性に関する情報)が得られる可能性がある.
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今後の研究の推進方策 |
次年度にデータサンプリングを完了し,得られたデータを多角的に分析し,学会発表,論文作成を行っていく予定である.COVID-19の影響でデータサンプリングが滞るようであれば,被験者数をさらに増やし対応する.被験者が,COVID-19感染への懸念から通院を拒否したことによる研究からのドロップアウトは,本研究の結果に重大な影響を及ぼすとは考えにくいため,結果的にドロップアウト率が上昇したとしても,有益な結果が得られるものと考えられる.
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響でデータサンプリングがやや遅れていること,被験者数を絞ったことなどから,必要となる使用金額が少なかったものと考えられる.次年度以降,さらにデータサンプリング,あるいは被験者数の増加を行い,これにかかる費用に使用しようと考える.また,データがそろった際に分析を行うための統計ソフトの購入などを検討している.
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