研究課題
1.患者の機能情報と形態情報の収集と解析本年度は、鶴見大学歯学部附属病院補綴科を受診した患者37名を被験者として確保し、延べ38回の顎運動測定を実施した。原則測定毎に上下顎印象採得を行い、歯列形態の三次元モデル(STLデータ)を製作した。また、25回はCT撮影も行い頭蓋骨および下顎骨の三次元モデル(STLデータ)を製作した。被験者37名中これまでの研究で治療中および治療後を含む顎運動測定を実施したのは10名であった。これまでの研究でデータを収集・蓄積した患者は延べ247名である。その内63回は、治療中や治療後を含めて複数回顎運動測定を実施している。次世代Digital dentistryに適した補綴診療プロトコールの確立を目指して、①患者から得られた情報から患者の機能障害や形態障害を、どのように診断し治療計画を立てるのか。また、②いつ最終補綴治療に移行するのか。③補綴装置は何を指標に設計するのか。そのためには、どのような情報がいつ必要となるのか。等の本研究の課題を解決するために測定・蓄積したデータの解析を進めている。2.顎運動測定器の実用化顎運動測定に使用している顎運動測定器は、企業との共同研究で実用化を進めており、多施設で性能評価を行う最終的な商用試作器の製作を開始した。コロナ禍で試作器の製作が遅れているが、早期実施にむけて準備を進めている。また、ソフトウエア開発業者と秘密保持契約を交わして研究代表者が独自に開発したソースコードを提供し、操作性に優れたアプリケーションの開発を行った。
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