研究課題/領域番号 |
20K10075
|
研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
野代 知孝 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (00829781)
|
研究分担者 |
細川 隆司 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (60211546)
正木 千尋 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (60397940)
近藤 祐介 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (00611287)
向坊 太郎 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (50635117)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | インプラント周囲炎 / インプラント周囲粘膜炎 / AGEs / PISF |
研究実績の概要 |
近年、欠損補綴の一つとしてインプラント治療を選択する患者が年々増加する一方で、インプラント周囲疾患が問題となっている。しかし、インプラント周囲炎の病態メカニズムにはいまだ不明な点が多い。近年、血漿中に存在する最終糖化産物(AGEs:Advanced glycation end-products) が 歯周病の病態形成に重要な役割を果たしていることが明らかになった。歯周炎とインプラント周囲炎は、支持組織の構造が異なるものの類似点も多いため、申請者らは、AGEsに着目し、インプラント周囲骨吸収の発症リスク解明を目的として、本臨床研究を立案した。 本学附属病院口腔インプラント科に定期検診で受診された患者から臨床パラメーターの取得、インプラント周囲溝からペリオペーパーを用いた滲出液の採取、デンタルX線およびパノラマX線写真の撮影を行った。集まったサンプルからELISA法を用いてタンパク濃度を測定した。また、X線写真を用いて年平均骨吸収量を測定した。統計解析の結果、インプラント周囲溝滲出液(PISF:Peri-Implant Sulcus Fluid)は、健康なインプラント周囲組織と比較して、インプラント周囲粘膜炎およびインプラント周囲炎で有意な差を認め、炎症が進行するに従い増加することが確認された。また、PISF中に含まれるAGEsの測定をELISA法にて行った結果、インプラント周囲炎群は健康なインプラント周囲組織と比較してAGEsが有意に高値を示した。
|