研究課題/領域番号 |
20K10114
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
花本 博 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (50397733)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 圧電センサ / 呼吸 / 心拍 / モニタリング |
研究実績の概要 |
倫理審査委員会で研究計画書の承認を得た後、UMIN-CTRに臨床研究登録し、研究を開始した。書面で同意が得られた健常者15名を対象に、睡眠時無呼吸評価装置(ソムノタッチRESP、フクダ電子)の胸腹部RIPベルト、心電図電極を装着した。圧電センサ(体動センサ、住友理工)を設置した歯科診療台上で仰臥位とし、心電図、RIPおよび体動センサの呼吸・脈拍波形を記録した。まず、6、8、10・・・24、26、28回/分の各呼吸回数で2分間記録し、体動センサの呼吸波形およびRIP波形から30秒間の呼吸数を算出した。次に、マスター2階段負荷を3分間実施した後、脈拍が回復するまで記録した。体動センサの脈拍波形および心電図を解析し、10秒毎の脈拍数を算出した。さらに、レジン製の暫間補綴装置を上顎前歯部に装着し、超音波スケーラー、マイクロモーター(低速・高速)、エアタービンを用いて振動を与え、各々1分間記録した。呼吸数はRIP波形による測定値、脈拍数は心電図による心拍数を対照とし、体動センサで測定した呼吸数・脈拍数との相関を調べた。Linの一致相関係数(CCC)が0.95以上で精度が高いと判定した。 体動センサで測定した呼吸数・脈拍数は、設定した全ての条件下においてRIPによる呼吸回数・心電図による心拍数と高い相関(CCCが0.95以上)を認めた。したがって、体動等の影響を考慮する必要があるが、歯科診療台上に設置した圧電センサは歯科診療時の患者モニタとして応用できる可能性があると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究採択時に新型コロナ感染症が拡大し始め、緊急事態宣言等により研究を開始できなかったため、全体的に遅れいている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度に圧電センサとRIPセンサでの心拍、呼吸回数の相関を確認できた。結果の公表に向けて準備を進めるとともに、今後はRIP波形とスパイロメータでの換気量の相関について解析を継続する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進行が遅れ、解析関連、データ保存関連、論文執筆関連の費用が残ったため次年度に使用予定とした。
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