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2022 年度 実施状況報告書

低濃度フッ化物を用いた放射線性う蝕予防に関する多施設共同第Ⅲ相試験

研究課題

研究課題/領域番号 20K10294
研究機関長崎大学

研究代表者

五月女 さき子  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (20325799)

研究分担者 村田 真穂  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (00444604)
山田 慎一  信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 准教授 (50380853)
梅田 正博  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (60301280)
兒島 由佳  関西医科大学, 医学部, 教授 (70720655)
山口 泰平  鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 准教授 (80230358)
渋谷 恭之  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (90335430)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード放射線う蝕 / 低濃度フッ化物
研究実績の概要

頭頸部がんに対する放射線治療(RT)の重篤な晩期有害事象の一つに放射線性顎骨壊死(ORN)がある。我々の多施設共同後ろ向き観察研究ではORNの予防には、根尖病巣を有する歯や予後不良が予測される歯をRT前に抜歯すること、RT後に急速に発症する放射線性う蝕を予防することが重要であること、さらにその後3年間のRT症例について再度検討を行ったところ、感染源になりうる歯の照射前抜歯の励行や、強度変調放射線治療(IMRT)の進歩などがあったにもかかわらず、ORNの発症頻度は逆に有意に高くなっていることが明らかとなった。これらのようにORNの予防対策はいまだ十分ではなく、その理由の一つに放射線性う蝕の予防法が本邦では確立していないことが考えられる。放射線性う蝕の予防法として、良好な口腔衛生状態の確立や定期的な歯科管理、フッ素塗布などが挙げられる。
海外では1.1~2.0%の高濃度フッ化物をカスタムトレーにて毎日5分間作用させることが推奨されているが、本邦では0.145%までであり放射線性う蝕の予防法としてトレー法フッ素は一般に行われていない。低濃度フッ素をカスタムトレー法により長時間作用させることで放射線性う蝕の予防が可能かどうかについて、多施設共同ランダム化比較第Ⅲ相試験を実施することとした。放射線性治療患者を2群にランダム化し、対照群は通常の歯科管理、フッ素群では0.145%フッ素含有歯磨剤をカスタムトレーにて夜間就寝時に作用させ、1年間に発生したう蝕を主要評価項目とする。本年度は、前年度から登録している患者の3月ごとの受診時に口腔内状況の確認とブラッシング回数、トレー群では1週間のトレー使用日数を聴取した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

データ管理システム構築が遅れたことにより症例登録開始が遅れていたことに加え、昨年に引き続き、コロナ禍であり、対象患者の選定・同意を得ることが困難であった。

今後の研究の推進方策

令和4年度より引き続き症例登録を行う(渋谷・山田・兒島・山口・梅田・五月女 担当)。口腔が照射野に入る放射線治療を終了した、残存歯が10歯以上存在する患
者を登録し、REDCapを用いて割り付け、データ管理を行う。収集項目は、年齢、性別、原発部位、照射線量、照射法、照射範囲、抗がん剤併用の有無および種
類、トレー使用日数、歯垢指数(DI:Debris Index)、口腔粘膜湿潤度(口腔水分計ムーカス)、刺激唾液量(サクソンテスト)、新たに発生したう蝕である。
ZOOM等のオンライン会議を開催して症例登録等随時情報共有を行っていく。

次年度使用額が生じた理由

データ管理システム構築が遅れたことにより症例登録開始が遅れ、本来の計画より遅れが生じたため次年度使用額は生じた。今年度は症例登録を積極的に進めて
研究遂行する。そのため、繰り越した経費はトレー用資材や唾液測定キット、口腔清掃用品の購入に充てる予定である。

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公開日: 2023-12-25  

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