研究課題/領域番号 |
20K10306
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
加藤 一夫 愛知学院大学, 歯学部, 准教授 (60183266)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | S-PRGフィラー配合歯磨剤 / 口腔バイオフィルム / プレバイオティクス / 齲蝕予防 / Streptococcus mutans / Streptococcus sanguinis / フッ化物 / ミネラル |
研究成果の概要 |
S-PRGフィラーは、Al、B、F、SiおよびSrなどの無機イオンを徐放する特性をもつ。 ブラッシングによるS-PRGフィラー5wt%配合歯磨剤からのミネラル溶出率は、Al、BおよびSrで2~3%、FとSiは20%以上で、ミネラルにより溶出速度に差が見られた。 S-PRGフィラー抽出液に暴露した口腔バイオフィルムでは、S. anguinisに対するS. mutansの密度比が20~40%低下するとともに、AlとSrの濃度は2.74~4.48倍および114~146倍に上昇したことから、S-PRGフィラー由来ミネラルが口腔バイオフィルムに対してプレバイオティクスとして作用することが示唆された。
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自由記述の分野 |
口腔衛生学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
口腔バイオフィルム感染症である齲蝕の発症リスクは、砂糖の頻回摂取や唾液流量の減少などで、酸産生菌や酸耐性菌が選択的に増加することで上昇する。酸産生を減少させる微生物群の成長を促進し、多様でバランスのとれた生態系へバイオフィルムを回復させる作用を持つプレバイオティクスの開発は、高齢者などの齲蝕を予防管理する上で重要である。 広く国民に定着した保健行動であるブラッシングで、プレバイオティクスという新たな要素を付加した歯磨剤を使用できれば、バイオフィルムの除去が困難な幼児、障害者および高齢者を中心に、特別な対応を取ることなく、齲蝕に対するリスクを大きく低下させることが期待できる。
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