研究課題/領域番号 |
20K10319
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
林 祐一 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (00392366)
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研究分担者 |
鈴木 昭夫 岐阜大学, 医学部附属病院, 准教授 (80775148)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ポリファーマシー / 高齢者 / 転倒 / 電子カルテ |
研究実績の概要 |
高齢者は院内で転倒しやすいため、入院時に看護師らが、患者への問診データなどをもとに転倒を予測し、的確な転倒防止策を講じている。現在、院内転倒予測には2つの問題点がある。①時間外・緊急入院や、看護師の多忙を理由に転倒が予測されず、無対策のまま転倒する場合と、②採用している転倒予測アセスメントツールが、院内の転倒を正しく予測できないために十分な対策がされずに転倒する場合である。この2つの重要な問題を解決するために、最適な転倒予測項目の同定と重みづけを行うことに加え、電子カルテシステムの関心データへの紐づけ機能(マイニング機能)を用いて院内転倒の予測自動化システムを開発したい。そのためには、どのような臨床情報を関心データとして紐付させるかが重要である。本研究は、転倒予測自動化のために最適な転倒予測に関連する臨床情報を明らかにする。 対象は、当院に入院した院内転倒の高齢者で、年齢、性別、視力、排泄法、認知機能、歩行能力、病名などの内的な転倒因子に加え、転倒に関連した薬剤、治療装着デバイス、履物、段差や転倒が生じた場所情報などの物理的環境、外的転倒因子の関与について収集した。収集した高齢者の院内転倒データをもとに、データベース化を行った。特に、高齢者の院内転倒では、内的因子に対する十分な評価と対策が行われていたが、外的因子である薬剤に対する転倒予測が十分ではなく、転倒が生じていたことを明らかにした。また、転倒にかかわるとされる薬剤のリスト化を行い、転倒と薬剤の関連について明らかにする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
高齢者の院内転倒のデータベース化を行ったこと、さらに、転倒に関連する薬剤について共同研究者とともに、明らかにした。
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今後の研究の推進方策 |
院内転倒各患者の臨床情報を集計し、年齢、性別、視力、排泄法、認知機能、歩行能力、病名などの内的な転倒因子に加え、転倒に関連した薬剤、治療装着デバイス、履物、段差や転倒が生じた場所情報などの物理的環境、外的転倒因子の関与を同定し、転倒予測の自動化に必要かつ自動化可能な転倒予測項目を同定する。今後は薬剤項目の重みづけに関して検討を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
国際学会および国内学会での現地参加ができなかったため、旅費に大幅な余剰額が発生した。次年度は、成果を発表するため、論文出版費用ならびに学会発表費用として使用する計画である。
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