研究課題/領域番号 |
20K10357
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研究機関 | 湘南医療大学 |
研究代表者 |
田島 明子 湘南医療大学, 保健医療学部リハビリテーション学科作業療法学専攻, 教授 (80550243)
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研究分担者 |
伊藤 純子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 助教 (10436959)
増田 雄亮 新潟リハビリテーション大学(大学院), 医療学部, 講師 (20842595)
立岩 真也 立命館大学, 先端総合学術研究科, 教授 (30222110)
田中 順子 川崎医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (70299262)
岡 耕平 滋慶医療科学大学院大学, 医療管理学研究科, 准教授 (90466863)
太田 健一 日本福祉大学, 福祉経営学部, 助教 (20877089)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 療法士 / 障害受容 / 質的研究 |
研究実績の概要 |
令和2年度は、療法士に「障害の社会モデル」の重要性の認識を促す方法論の解明を目的として、医療機関や地域で働く療法士を対象に「障害受容」使用実態の調査を実施した。 対象者は、個人的に8名(うち作業療法士6名、理学療法士1名、言語聴覚士1名)、通所介護や訪問リハビリテーションを実施するA施設と回復期リハビリテーションを主として就労支援や通所リハビリテーションを展開するB施設であった。各施設の研究協力者は、A施設は作業療法士2名、理学療法士5名、言語聴覚士1名、B施設は作業療法士5名、理学療法士4名であった。研究の方法は個別的に半構成的インタビュー調査を行い、データは一事例ごとに本研究の目的に適うデータを抽出した後、全事例を統合化し、データ内容について類似性と差異性を比較検討しながら分類を行った。インタビュー内容は、①「障害受容」の使用状況、②実施している支援内容や対象者とのかかわり方についてであった。倫理的配慮については所属先に倫理委員会の承認、B施設はB施設の倫理審査委員会の承認を得た後に実施した。 作業療法士への調査結果のみ分析が終了しており、経験年数は1~19年(1~5年:4名、6~10年:4名、11年以上:5名、平均:9.3年)、個人対象者の仕事経験は、急性期リハビリテーション、回復期リハビリテーション、地域包括ケア病棟、訪問リハビリテーション等であった。 結果は、①「障害受容」の使用状況は、現時点では全員が使用していなかった。②「障害受容」を用いなくなった経緯は、1)学び、調べた経験、2)「障害受容」の使用に対する違和感と2通りがあった。③対象者とのかかわりの変化としては、選択肢の提示や目標を共有しあうための対話の重視、本人の意向に沿った治療の実施、その人らしい地域での生活のための連携や支援、生活スタイルの多様性の気づきがあった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
インタビュー調査を新型コロナウィルス感染拡大直前の令和2年1~2月にほぼ実施していたため、令和2年度に実施予定の研究については、大きく進捗が遅れることなく実施ができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、作業療法士以外のデータの分析を行い、療法士に「障害の社会モデル」の重要性の認識を促すための方法の検討を行うとともに、令和3年度研究予定の『「障害の社会モデル」を重視したリハビリテーションの実践モデル構築』に向けて、「障害の社会モデル」及び当事者視点を尊重し、解決方法の1つとして社会変容を目指した先駆的取り組みをする施設の代表やそれに類する療法士にインタビュー調査をし、質的帰納的分析から、それらの取り組みに共通した実践方法を明らかにし、実践モデル構築を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染拡大の影響のため、フィールドワークやそれに伴うインタビュー調査が制限をされ予算執行が行えなかった。令和3年度については、感染症対策を励行しつつフィールドワークを行い、また、オンラインを用いたインタビュー調査実施等を検討したい。
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