研究課題/領域番号 |
20K10363
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 森ノ宮医療大学 |
研究代表者 |
山下 仁 森ノ宮医療大学, 医療技術学部, 教授 (10248750)
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研究分担者 |
増山 祥子 森ノ宮医療大学, 医療技術学部, 准教授 (10454688)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 対照群 / 非薬物療法 / 鍼治療 / ランダム化比較試験 / システマティック・レビュー / 偽鍼 |
研究成果の概要 |
非薬物療法のうち鍼治療を題材として国内のランダム化比較試験のシステマティック・レビューを行い、設定された対照群の種類と年代ごとの傾向を分析した。合計108件の試験が抽出され、対照群は、1990年以前は異なる鍼手法、2000年代には偽鍼・偽経穴が多く、2010年代には両者がほぼ同数でそれぞれ3分の1を占めていた。おそらく2000年代に偽鍼・偽経穴が完全に不活性ではないという見解が広まり、鍼の効果量が小さく見積もられることから対照群設定の傾向が変わってきたと思われる。治療効果のエビデンスを示すにあたっては、何を対照群として算出した効果量なのかを明示する必要性が示唆された。
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自由記述の分野 |
鍼灸研究方法論
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では鍼治療を例として、臨床試験で対照群が無治療・偽治療・通常治療など多様に設定されていること、そしてその傾向は試験が行われた年代によっても異なることを示した。この事実に関する認識がないまま各種治療法の効果量をメタアナリシスで算定して診療ガイドライン等で提示すると、臨床実践にあたって正しい判断を妨げてしまう恐れがある。特に非薬物療法の効果量の推定と提示にあたっては、異なる対照群ごとに効果量を算出して治療法間の公正な相互比較を行う必要があることが本研究によって確認された。
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