研究課題/領域番号 |
20K10411
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
浦松 雅史 東京医科大学, 医学部, 准教授 (00617532)
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研究分担者 |
松村 由美 京都大学, 医学研究科, 教授 (10362493)
兼児 敏浩 三重大学, 医学部附属病院, 教授 (30362346)
滝沢 牧子 群馬大学, 大学院医学系研究科, 助教 (70613090)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 医療事故 / 情報提示 / 組織対応 / オープンディスクロージャー |
研究実績の概要 |
本研究は、事故情報提供ガイドラインを実証的な知見に基づいて構築することを最終的な到達点とする中で、具体的な目的を、事故発生後の一連のプロセスにおいて、妥当かつ現実的な事故情報の内容の検証、提供される事故情報の量的および質的評価を実施し、当該ガイドラインのための基礎的知見の構築をするものである。 また本研究の最終的な目的の一つは、わが国の文化的、法的背景に適合し、医療機関側にとって実践可能であり、かつ患者側にも受け入れることができる事故情報提供ガイドラインを、実証的な知見に基づいて構築することを目指す中で、事故発生後の医療機関と患者の関係性を、一連のプロセスとして捉え、その諸段階において、医療機関側のみならず、患者側にとっても妥当かつ現実的な事故情報の内容とはいかなるものであるかを検証し、提供される事故情報の量的、および質的把握とその評価を行うことにより、具体的な事故情報提供ガイドライン構築のための基礎的知見を構築することにある。 こうした点を踏まえ、本研究においては、これまで公開されているオーストラリアのOpen Disclosure Frameworkを中心に分析を行い、事故情報提供の基本的な考え方、提供時期、提供される情報の内容、実施者がどのようなものであるか等の検討を行った。さらにわが国の医療機関における事故情報提供体制、具体的には、事故情報提供体制に関するルールの有無、その内容、実際の事故における当該体制による情報提供経験の有無等に関する調査のための検討を行い、その実証的な検証のための準備を行った。 また調査対象となる担当者や担当部局に関して、緊急時対応の状況が続く中で、調査実施の具体的な可能性に関しての検討を行い、具体的な対応を協議し、より具体的な実施計画を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究はこれまで、海外の知見を踏まえ、我が国の医療機関における事故情報提供の実態把握(事故情報提供体制に関するルールの有無、その内容、実際の事故における当該体制による情報提供経験の有無等)に関しての実証的な検証を行うことを予定していた。しかしながらCOVID-19の蔓延が依然として予断を許さない状況にあり、医療機関における緊急的対応が求められている状況においては、医療機関に対して、本研究における調査依頼等が、こうした業務に負荷をかけることは現実的ではないことから、調査の実施時期の検討を踏まえ、そのための調整を行うと共に、回答をもとめる医療機関により負荷の少ない調査方法の検討を踏まえた準備を行い、次年度におけるその実施対応のための準備と、結果として想定される課題等を踏まえた、本研究における論点の整理を行う必要があったため。
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今後の研究の推進方策 |
COVID-19の拡大が未だ継続している状況を踏まえて、繰り延べざるを得なかった当該研究課題における実証的なデータの構築作業を実施することに関しての決定を行い、実施に際しての具体的な実施計画を遂行するための準備および体制を構築する。くわえて、その実施に当たっては、調査対象となる医療機関の選定を新たに行うとともに、調査への協力に際しては負荷の少ない形で参加しうるような調査実施の工程の検討を踏まえ、その実施が可能となるような体制を整備する。 これまでのところ、対象医療機関を一定の基準により機械的に確保する方法の実施に関しても引き続き検討と準備を行うとともに、対象医療機関を絞り込み、実際の医療機関において事故発生時における事故情報の提供を担う実務担当者に対して、より深いインタビュー調査を実施するなどの試行的実施をまずは行う予定である。 その際の調査内容としては、事故情報提供の提供時期、内容、当該施設のルールに基づく事故情報提供の実践場面における障害及び患者側の反応等が考えられ、これらに関しての質的データの試行的分析を試みる。 ついで、これらの知見を踏まえ、海外等における事故情報提供の現状とわが国の事故情報提供体制及び実践の特徴と課題、とくに情報提供の時期、提供が想定される情報の内容、および事故情報提供の実践における医療機関側及び患者側にとっての障害要因等についての検討を行い、本研究結果の取りまとめに向けての準備を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の拡大と継続が著しいために、当初予定していた実証データの調査を繰り延べ、調査方法等の再検討を行わざるを得なかったため。 したがって実施予定の医療機関に対する調査を実施し、本研究課題に関わるデータ構築を行うための費用が必要となる。具体的には調査票等のツールの準備作業、これらを用いたデータ構築作業、取得されたデータの入力および集計作業等である。くわえて調査方法の再検討を行う中で、必要に応じて、調査対象医療機関に直接出向く必要があるため、その費用としても使用を予定している。
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