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2021 年度 実施状況報告書

地域コホートによる健康寿命に関連する要因の探索-集団アプローチの開発に向けて-

研究課題

研究課題/領域番号 20K10484
研究機関近畿大学

研究代表者

高嶋 直敬  近畿大学, 医学部, 准教授 (80435883)

研究分担者 宮川 尚子  滋賀医科大学, 医学部, 客員助教 (20388169)
喜多 義邦  敦賀市立看護大学, 看護学部, 教授 (30147524)
門田 文  滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (60546068)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード機能予後 / 健康寿命 / コホート研究 / 地域住民
研究実績の概要

健康寿命延伸は公衆衛生上の重要な課題である。健康寿命は日常生活を自立して行える期間とも定義され、「日常生活非自立」となる原因疾患の約半数は認知症及び脳卒中である。これらの疾患の予防は当然ながら重要である。しかし、健康寿命や機能予後を客観的に評価するためには対面での調査が必要なことから、修正可能な危険因子や予測因子に関するこれまでの知見は十分とは言えない。
本研究では既存コホートを用いて、健康寿命と危険因子との関連、健康寿命・認知症の発症予測因子の検討を行うことと、健康寿命延伸のための集団アプローチを評価可能な新たな縦断研究の立ち上げの準備を行うことも目的としている。しかし、新型コロナウィルスのパンデミックによって、研究活動の制限が継続しており、2021年度も追跡調査などの研究活動の大部分について中断を余儀なくされた。
収集済みデータを用いて追加の解析を行い、以下の成果を公表することができた。
ストレス対処行動と将来の機能予後については、本年度は追加で詳細な解析を実施し、成果をGerontologyで公表した。日常生活での日常生活での出来事に対して「良い方向に解釈する」あるいは「解決するように取り組む」と回答した人は将来の機能予後低下のリスクが低いことを明らかにすることができた。このことからストレス対処行動の改善によって将来の機能低下のリスクを改善できる可能性が示唆された。
動脈硬化などの潜在性慢性炎症の指標の一つである高感度CRPと将来の機能予後についても、本年度は詳細な解析を行い、成果をJ Atheroscler Thrombで公表した。高感度CRPが高いほど将来の機能予後低下のリスクが高いこと、喫煙、糖尿病、脂質異常の有無にかかわらず同様の結果であった。これらのことから、高感度CRPは将来の機能予後低下の予測因子であることを明らかにできた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

研究開始時点では新型コロナウィルス感染症のパンデミックの拡大防止を目的とした研究教育活動の制限が上半期のみで解除されることを想定して研究計画を立案していた。しかし2021年度中は新型コロナウィルス感染症の流行のため、本年度に予定した追跡調査等の実施が不可能であった。また出張制限等もあったため、研究活動が十分に行えず、大幅に遅れている。

今後の研究の推進方策

当面は、2019年に作成したデータを用いて、機能予後との関連について解析及び追跡期間を延長してさらに詳細な解析を予定している。また健康寿命延伸のための集団アプローチを評価する調査の立ち上げ準備は、自治体との協議は新型コロナウィルスの2類相当からの変更が行われるまでは困難で、社会情勢が許せば2022年度の下半期以降に実施することを検討している。

次年度使用額が生じた理由

研究開始時点では新型コロナウィルス感染症のパンデミックの拡大防止を目的とした研究教育活動の制限が上半期のみで解除されることを想定して研究計画を立案していた。しかし2021年度中は新型コロナウィルス感染症の流行のため、本年度に予定した追跡調査等の実施が不可能であった。また出張制限等や、まん延防止等重点措置等の要請があり参加予定の学会も急遽、全面WEB開催等に変更されたこともあり次年度使用額が生じた。
2022年度の下半期からは研究活動も順次再開の可能性があるため、新型コロナウィルス感染症の動向を見極めながら、健康寿命延伸のための集団アプローチを評価可能な新たな縦断研究の立ち上げの準備のための予備調査に必要な物品等の購入等を実施する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] Association between C-Reactive Protein Levels and Functional Disability in the General Older-Population: The Takashima Study2022

    • 著者名/発表者名
      Takashima Naoyuki、Nakamura Yasuyuki、Miyagawa Naoko、Kadota Aya、Saito Yoshino、Matsui Kenji、Miura Katsuyuki、Ueshima Hirotsugu、Kita Yoshikuni
    • 雑誌名

      Journal of Atherosclerosis and Thrombosis

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.5551/jat.63323

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Association between Stress-Coping Strategy and Functional Disability in the General Older Adult Population: The Takashima Study2021

    • 著者名/発表者名
      Takashima Naoyuki、Nakamura Yasuyuki、Miyagawa Naoko、Kadota Aya、Tanaka-Mizuno Sachiko、Matsui Kenji、Miura Katsuyuki、Ueshima Hirotsugu、Kita Yoshikuni、on behalf of the Takashima Study Group
    • 雑誌名

      Gerontology

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1159/000519194

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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