研究課題/領域番号 |
20K10494
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 奈良県立医科大学 (2022-2023) 北海道大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
平田 匠 奈良県立医科大学, 医学部, 特任准教授 (00383795)
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研究分担者 |
寳澤 篤 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 教授 (00432302)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 遺伝・環境交互作用 / 個別化予防 / 高血圧 / 家族歴 / ポリジェニックリスクスコア |
研究成果の概要 |
本研究では、東北メディカル・メガバンク事業地域住民コホート調査のデータを用いて、高血圧の家族歴または高血圧に関するPolygenic risk score(PRS)が環境因子と高血圧との関連に与える影響を検討した。その結果、高血圧の家族歴を有する者または高血圧のPRSが高い者では環境因子と独立して高血圧の有病オッズが高くなることが示された。一方、両親の高血圧既往と尿Na/K比は高血圧有病に対する負の交互作用を認めた。良好な血圧管理を行う上で遺伝要因を有する者では生活習慣の改善(適切な体重管理・節酒・塩分摂取量の制限と野菜・果物の摂取推奨・十分な身体活動量の維持)をより厳格化する必要がある。
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自由記述の分野 |
疫学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、遺伝因子を考慮に入れた適切な血圧管理法を提唱する上での基礎的なエビデンスを創出することができた。高血圧の遺伝リスクを有する者では尿Na/K比高値(過剰な塩分摂取や野菜・果物の摂取不足)・過量飲酒・肥満・身体活動量の低下といった環境因子と独立して高血圧の有病オッズが高いことを研究結果から示しており、高血圧の遺伝リスクが高い者では遺伝リスクの低い群と比較して生活習慣の改善をより厳格化する必要がある。また、遺伝リスクの高い者では尿Na/K比の改善に伴う血圧の改善効果が乏しい可能性があり、生活習慣の改善だけでは血圧の管理が不十分と考えられることから積極的な薬物療法の開始も検討される。
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