研究課題
今年度は、予備的研究として低Na/K比調味料を使用したラーメン等を用いた塩味官能に関する試験や、1事業所(大阪市内)の社員食堂での介入研究実施を予定していたが、新型コロナウィルス感染のまん延、その予防のため、対面での打ち合わせ、研究実施に向けた現場の確認など必要な準備を殆ど行うことができなかった。事業所においても従業員の出社抑制措置がとられ、出社割合は3割から5割であった。それとともにデータ収集の場である社員食堂利用者数も平常時の半分程度(1日あたり200人→100人)に減少した。その結果、進捗は大きく遅れている状況である。しかしながら、対象事業所、共同研究者との打ち合わせは定期的に実施しており、対象事業所において研究実現の意志は変わらない。対象事業所において今なお出社抑制がかかる状況であるが、2020年11月には減塩、高血圧予防についての知識や意向を尋ねる従業員対象のアンケート調査を対象事業所の協力のもと実施し、高率で回答を得ることができた。「高血圧が危険因子となる疾患」「高血圧予防のためによい生活習慣」についての質問は概ね8割以上が正解した。社員食堂利用者を対象とした質問においては、「食堂の味付けはちょうどよい」と8割程度が回答したが、一方で「社員食堂で積極的に減塩すべきだ」と半数強が回答し、「減塩しても今のままの味がよい」と7割が回答した。この結果は職域での減塩介入を行う際の基礎的検討として重要であり、2021年度に学会発表する。
4: 遅れている
新型コロナウィルス感染まん延に伴い、ヒトを対象とした研究であり、研究機関外の一般事業所をフィールドとして実施する本研究は、実施計画を遅らせざるを得なかった。
事業所社員食堂で栄養介入を行い、利用者の血圧測定等、対面で行う調査を伴う本研究は、事業所に十分な利用者が戻ること、対面調査が可能となることが条件となるため、実施可能となるのは2022年度後半以降と考えている。今年度は、昨年度実施した従業員対象のアンケート結果を学会発表し、またその結果を従業員教育に活用し従業員の応諾率を上げること、また、給食業者や調味料メーカーとの打ち合わせを有効に行い2022年度での実施を目指す。
今年度、対象事業所において社員食堂での介入研究を実施する予定であったが、新型コロナウィルス感染蔓延のため、食堂介入の実施時期を延期した。このため経費支出額は予定よりも大幅に少ない。介入研究は2021年度以降に実施予定であり、実施のための経費として使用する。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) 図書 (1件)
Nutrients
巻: 12 ページ: 787
10.3390/nu12030787
Hypertension Research
巻: 43 ページ: 132-139
10.1038/s41440-019-0349-9