研究課題
新型コロナウィルス感染対策のため、研究実施事業所では出社制限、社員食堂の利用制限が課されていた。この間、2022年7月には一部従業員向けに「ナトカリ食試食会」を行い、違和感の無い味であることを体験していただき、8月には社員食堂で「ナトカリキャンペーン」(8月29日、30日、31日)でを実施し、研究チラシを配布することで、従業員における期待感の醸成に努めた。その後、2022年秋に「今後出社制限等が緩和される方向に向かうだろう」という推測のもと、2023年1月から3月にかけて介入研究実施することとし、準備を本格化させた。2022年12月に参加者のリクルートを行い、2023年1月のベースライン調査開始までに200名の参加申し込み、インフォームドコンセントを得た。1月中旬までにベースライン調査を行い、その後の介入は、計画通りに前半4週間に事業所内の工場食堂でナトカリ食と牛乳を提供し、後半4週間には本社食堂でナトカリ食と牛乳を提供した。1月初旬より、ベースライン調査(2週間)、前半介入期間の調査(2週間)、後半介入期間の調査(2週間)を行い、対象者は計6回の調査(問診、血圧測定、検尿)に協力した。3月中旬に最終調査を終え、167名の者が全調査に協力した。2022年度末において、すべての尿検体の測定(Na, K, Cre濃度)の測定を終え、調査票(紙媒体)の整理を終え、調査票のデータ入力の準備を行っているところである。また、介入期間中に社員食堂で提供された食事のサンプリングを行った。これについては2023年度にNa, K含有量の測定を行う。
3: やや遅れている
新型コロナウィルス感染対策のため、本研究における介入実施場所である事業所への出社率、社員食堂の利用者数が抑制された状態にあり、計画していた2021年には介入を実施できなかった。
2023年度には、血圧値等のデータを電子データ化し、尿検査結果とあわせて、ナトカリ食と牛乳提供による効果について解析を行う。食堂で提供された食事をサンプリングしており、これのNa, K測定もあわせて行いナトカリ調味料の使用による食事中のNa, K提供量についても解析を進める。また、本研究実施事業所(大阪市内)において「高血圧予防と栄養・生活習慣」や「高血圧と疾患」との関連についての知識実態についてアンケート調査を実施したが、こうした知識実態は広く他の集団においても検証することで、今後の情報提供施策の立案に役立つと考えた。そこで、2023年度は介入研究のデータ整理・解析ととともに、本研究の結果をさらに活用するための研究として、他集団でのアンケート調査等を実施することとする。
コロナ禍のため、介入研究を昨年度末の3月中旬まで実施した。そのため、データの整理、入力、データ解析を年度内に実施することができなかった。次年度には、データ入力費用、解析のためのコンピュータ購入、介入研究結果をさらに敷衍するための基礎情報として、他集団での「ナトカリと高血圧」「高血圧と生活習慣病」についての知識状況の調査実施等のために助成金を使用する。
すべて 2022
すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
Hypertens Res.
巻: 45 ページ: 1850-1860
10.1038/s41440-022-01007-x