研究課題/領域番号 |
20K10566
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
山口 晃志 日本医科大学, 医学部, 講師 (90465344)
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研究分担者 |
崔 范来 日本医科大学, 医学部, 助教 (60424751)
金涌 佳雅 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (80465343)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 硫化水素 / シアン / LC-MS/MS / 誘導体化 |
研究実績の概要 |
本研究は、血液に含まれる硫化水素、シアン、それらの代謝物であるチオ硫酸、チオシアン酸など、イオン性物質をLC-MS/MSで分析する方法の開発を目指すものである。 これらのイオン性物質は、α-ブロモアセチル基を有する物質との反応でアルキル化され、反応物はLC-MS/MSで検出することが可能であることがわかった。しかし、実際の血液に対してアルキル化を試みると、様々な夾雑成分も同時にアルキル化され、実際に含有する濃度よりもはるかに高い濃度を含有しているかのような結果が得られた。 この結果に対し、令和2年度は固相抽出などの前処理法などによって精製することで夾雑成分の影響を抑えることを検討した。 令和3年度は、より選択性が高くなるようなアルキル化試薬の合成とアルキル化されたイオン性物質のLC-MS/MSによる検出を試みた。高感度で生成物が検出できるようにアルキル化試薬の分子構造を検討し、LC-MS/MS分析に特化した試薬の開発を試みた。得られた試薬が、硫化水素やシアンをはじめとするイオン性物質と反応するかどうかを検討し、生成物を分析対象として、分析条件を最適化した。また、より効率のよく反応する条件を検討した。 さらに、当初の研究計画には含まれていなかったが、調製したアルキル化試薬が、高極性で分析が困難であるグリホサートなどの除草剤とも反応することが分かった。そのため、このアルキル化試薬がグリホサートの分析にも使用できないか検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
今まで想定していた誘導体化試薬では実用化は難しいことがわかり、あらたな誘導体化試薬の調製をする必要ができたため。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き新しい誘導体化試薬を検討する。実務に使用できるようなものが得られたら、血液抽出液などを用いて添加回収実験を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
試薬の購入費やLC-MS/MSのメンテナンス費用に使用する。
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