研究課題/領域番号 |
20K10609
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研究機関 | 島根県立大学 |
研究代表者 |
小川 智子 島根県立大学, 看護栄養学部, 助教 (50551751)
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研究分担者 |
山下 清香 福岡県立大学, 看護学部, 准教授 (40382428)
中谷 久恵 広島大学, 医系科学研究科(保), 教授 (90280130)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 保健師 / 新任期から中堅初期 / 専門職としての自信 / 職場内研修(OJT) / 職場外研修(Off-JT) |
研究実績の概要 |
令和2年度は、新任期から中堅初期にある保健師の専門職としての自信を高める職場内研修(OJT)モデルを開発するために、介入モデルの評価指標となる専門職としての自信の尺度を開発することを計画していた。全国の自治体に勤務する保健師を対象にアンケート調査を実施し、先行研究で明らかになっている専門職としての自信の因子構造の再現性を検証して尺度の信頼性と妥当性を図る予定であった。しかしながら、わが国は、COVID-19の健康危機に直面しており、尺度の再現性を検証するには、前調査時と比較して大きく社会情勢が異なることや感染症対策に日々追われる保健師への調査の負担を考慮して量的調査を延期した。 令和2年度は、令和3年度からの介入研究に向けた準備を進めた。具体的には、本研究の着想に至った前研究である新任期から中堅初期の保健師を対象とした専門職としての自信を高める事例検討中心の職場外研修(Off-JT)の効果を質的記述的に分析するとともに、A県内のB自治体に勤務する新任期から中堅初期の保健師を対象にOJTとして現任教育プログラムを試行的に実施してその効果を比較検討した。 OJTの参加者からは、「支援するにあたっての多角的視点の獲得」や「課題の明確化」、「支援技術の明確化」「職場内研修の開催への意欲」といった結果が得られ、OJTにおいてもOff-JTと同様の効果が認められた。しかし、OJTでは、事例提供者よりも事例に詳しい先輩保健師が事例検討に参加することにより、事例提供者からは「事例提供への負担感」が生じていた。このことから、OJTにおいて保健師の専門職としての自信を高める現任教育を開発するためには、事例検討におけるメンバー構成のあり方や参加ルールの明確化といった同じ職場であることの特性を考慮したプログラムの必要性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度計画していた全国の自治体に勤務する保健師を対象とした量的調査をCOVID-19の状況を鑑み延期したため。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、COVID-19の感染拡大状況を考慮しながら、全国の保健師を対象にアンケート調査を実施し、専門職としての自信尺度を開発する。また、得られた結果と令和2年度に試行的に実施して明らかになった職場内研修(OJT)での課題を考慮した新任期から中堅初期の保健師の専門職としての自信を高めるOJTプログラムを企画する。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和2年度の社会情勢は、COVID-19の健康危機に直面しており、感染症対策に日々追われる保健師への調査の負担を考慮して量的調査を延期した。令和3年度は、令和2年度に実施予定であった量的調査を実施して分析を進める。
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