研究課題/領域番号 |
20K10667
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研究機関 | 愛媛県立医療技術大学 |
研究代表者 |
徳永 なみじ 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 准教授 (90310896)
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研究分担者 |
相原 ひろみ 大阪公立大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (10342354)
金澤 知典 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 准教授 (50777133)
野本 百合子 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 教授 (60208402)
佐川 輝高 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 助教 (90162320) [辞退]
前田 ひとみ 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 教授 (90183607)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 看護技術教育 / 自己調整学習 |
研究実績の概要 |
今年度前半には、看護学生が看護技術習得時に用いる自己調整学習方略を明らかにすることを目的として、A大学看護学科に入学した1年生300名を対象に、質問紙調査を実施した(回答数210、回収率70.0%)。設問は、課外の技術練習でどのような学習方略(以下、方略と略す)を用いたかを問い、自由記述による回答を求めた。回答で得た234の記述を、問いに対応する意味のまとまりでコード化し142コードを得た。これらを、類似性に基づいて質的に分析し、35方略を抽出した。次に、不足や偏りを補う意図で、藤田らの自己調整方略尺度を一部修正した18方略、2020年度4年生6名への聞き取りから16方略、専門家会議での追加と統合を経た71方略を質的分析の対象とした。結果、71方略には「実際の患者さんに実施する状況と似た環境を設定する」等があった。これらを分類し「模擬場面の活用」「手本の模倣」等18サブカテゴリを命名した。さらに、18サブカテゴリから「実践志向努力方略」「学習資源活用方略」「メタ認知方略」「プランニング方略」の4カテゴリが形成された。 後半には、看護学生が看護技術習得時に用いる自己調整学習方略の構成を探索的分析により推定し、本調査に向けた予備調査として、先行して実施した研究で明らかになった71項目をベースとしたWebによる質問紙調査を行った。得られた回答を量的に分析し、尺度項目の候補となる38項目が明らかになった。推定される因子構成は、第1因子『基盤志向自己調整方略』14項目、第2因子『実践志向遂行調整方略』12項目、第3因子『達成志向計画調整方略』8項目、第4因子『習得志向資源調整方略』4項目であった。一部、項目構成が未確定な項目もあったことから、看護技術習得時に用いる自己調整学習方略は、4つもしくは3つの下位尺度により構成されることが推定された。以上の結果をもとに、今後本調査を実施する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の影響により、全国的に対面での授業ができなかったことから、看護技術学習のための演習が実施できず、通常の技術学習状況とは異なるため、正確なデータ収集ができない状況となった。そのため、やむなく調査時期を1年遅らせる必要が生じたため、全体的な研究計画に遅延が生じた。 1年遅れではあるが、コロナ5類移行後8か月が経過した2024年2月に本調査を実施した。協力が得られた大学・専門学校を対象として、Webによる質問紙調査を実施し、全国の看護学生から1014の回答を得た。現在、尺度開発に向けて分析を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年2月に実施した本調査の結果をもとに、データのクリーニングが完了し、現在、尺度開発に向けた分析を開始している。得られた有効回答は1014であり、尺度開発に付sくのない回答数を確保することができた。項目分析、探索的因子分析を終え、現在、構造分析を開始している。2024年中の分析完了と学会発表、投稿を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の影響により、本調査の時期が約1年遅延したため。
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