研究課題/領域番号 |
20K10677
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研究機関 | 同志社女子大学 |
研究代表者 |
當目 雅代 同志社女子大学, 看護学部, 教授 (20259435)
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研究分担者 |
天野 功士 同志社女子大学, 看護学部, 助教 (40756194)
光木 幸子 同志社女子大学, 看護学部, 准教授 (70269778)
小笠 美春 同志社女子大学, 看護学部, 専任講師 (70544550)
森島 千都子 同志社女子大学, 看護学部, 助教 (80735879)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 視線計測 / 術後観察 / シミュレーション教育 / 臨床判断 / 熟練看護師 / 看護学生 |
研究実績の概要 |
2020年度の目的は「第1段階:高機能患者シミュレーターScenarioを用いた術後観察時臨床判断シナリオの作成」および「第2段階:熟練看護師の術後観察時臨床判断の認知プロセスと行動パターンの推定」であった。 1.術後観察時臨床判断シナリオの場面抽出のための文献検討の実施:術後観察時に臨床判断が求められる場面を同定するために文献検討を実施した。医学中央雑誌Web版を用いて、〈看護領域〉・〈原著・解説〉・〈過去10年〉を条件として、「術後」「急変」でand検索した。その結果、180件の文献が抽出され、入手可能文献は52件であった。原著論文は急変を含む教育内容が1件であり、解説/特集が51件であった。解説/特集の文献を対象領域、対象急変事象でマトリックス集計し、分析した。対象領域は、消化器外科20件、術後合併症一般8件、循環器外科5件、泌尿器外科4件、脳神経外科4件、呼吸器外科4件、整形外科3件、頭頚部外科1件、手術中2件であった。対象急変事象(重複あり)は、ドレーン管理14件、術後出血6件、呼吸抑制5件、意識レベル低下5件、DVT/PE4件、嘔吐4件、術後合併症観察4件、術後疼痛3件などであった。 2.文献検討の結果をもとに、臨床経験30年以上ある熟練看護師2名と学生が臨床実習で臨床判断が求められる術後急変項目を検討した。その結果、学生が臨床で遭遇する術後急変場面としてアセスメントと対処が可能であり、高機能患者シミュレーターScenarioで再現可能な項目を「術後出血/術後ドレーン管理」「呼吸抑制」「術後疼痛」とした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度実施予定は、「第1段階:高機能患者シミュレーターScenarioを用いた術後観察時臨床判断シナリオの作成」および「第2段階:熟練看護師の術後観察時臨床判断の認知プロセスと行動パターンの推定」であった。第一段階のシナリオの場面抽出は行えたが、シナリオ作成まで至らなかった。また、第二段階の熟練看護師の認知プロセスと行動パターンを視線計測で推定することは、新型コロナウィルス感染拡大の影響で、依頼予定の病院施設への訪問が制限されたため、対象看護師への協力を得ることを見合わせた。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は、文献検討から術後急変場面の文献が多かった消化器外科手術を受けた患者を想定して、高機能患者シミュレーターScenarioを用いて「術後出血/術後ドレーン管理」「呼吸抑制」「術後疼痛」のシナリオを作成する予定である。また、新型コロナウィルス感染拡大の収束の目途が立たない場合の熟練看護師への視線計測のための研究協力者のリクルートは、病院施設で勤務する熟練看護師以外に、周術期領域で10年以上経験のある退職看護師のリクルートも検討する。研究協力者のリクルートが実現できたら、術後観察時臨床判断シナリオを対象看護師に適用し、認知プロセスと行動パターンを視線計測機器を用いてデータ収集する。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由:2020年度計画では、データ解析用PCの購入、関連図書の購入、情報収集のための学会参加旅費、熟練看護師の視線計測に伴う謝金などの執行を予定していた。しかし、新型コロナウィルス感染拡大に伴い参加予定の学会がオンライン開催となり旅費が発生しなかった。また、病院訪問の制限を受けて研究協力看護師への依頼を見合わせたため、謝金が発生しなかった。 使用計画:2021年度は術後急変時場面のシナリオを作成する。新型コロナウィルス感染拡大状況を見ながら熟練看護師の視線計測を行う予定であり、研究協力への謝礼を支払う予定である。また、視線計測に必要なデータ記録媒体の購入、視線データが収集できる場合は専任の視線データ解析者への謝金を支払う予定である。
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