研究課題/領域番号 |
20K10719
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研究機関 | 愛媛県立医療技術大学 |
研究代表者 |
高橋 博子 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 助教 (60805919)
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研究分担者 |
鳥居 順子 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 教授 (00249608)
中西 純子 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 教授 (70207827)
田中 昭子 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 准教授 (80274314)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 禁煙外来 / 看護職 / 禁煙支援技術 / ガイドブック / 実態調査 / ニーズ調査 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、禁煙率向上に寄与するため、禁煙外来に携わる看護師の禁煙支援技術向上を目指し、先行研究(高橋,2017)で明らかにしてきた熟練看護師の禁煙支援技術を実践の場で使えるように道具化し、その実用性と有効性を評価することである。 ガイドブック開発では、まず禁煙外来という臨床現場の実情に則した内容とすること、またガイドブックを活用する看護師達にとっての利便性を考慮する必要がある。そのため初年度にあたる令和2年度は、禁煙外来に携わる看護師・准看護師が禁煙支援をどのように行っているのか、またどのようなことに困っているのかなど実態を探ると同時に、ガイドブックにどのようなことを求めるか、何を期待するかというニーズを明らかにすることを目的に質問紙郵送調査を行った。 禁煙外来に携わる看護師・准看護師に調査をアプローチするため、ニコチン依存症管理料を算定している全国の病院、診療所・クリニックを対象とした。その内、施設の規模や機能の違いを考慮し病院と診療所・クリニックに層化した上で、各地方一定割合で無作為抽出し、調査依頼を行った。現在質問紙の回収作業を終え、これから結果分析を行う予定である。 調査対象である看護師・准看護師が、実際の禁煙支援の中で行っていることや困っていることは何か、また禁煙支援に対する認識、取り組み内容などの実態を明らかにし、同時に彼らが知りたいことや身につけたいこと、ガイドブックに求めるものなどのニーズを把握することは、実情を掴むだけでなく、ガイドブックに何を盛りこめば有効なのかを見つける基礎資料となる。ひいては、経験の浅い看護職が禁煙外来に携わる際に、スムーズに禁煙支援するためのガイドブック開発の一助になると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染者対応による医療施設の負担を考え、調査は令和2年度の後半を予定し状況をみながら実施する予定であった。全国的な沈静化を期待しながら待っていたものの、予想以上に度重なる感染の波の中、沈静化を待てず葛藤の末調査に踏み切る形となった。そのため、予定よりやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2年目にあたる令和3年度は、質問紙調査の結果から、看護師・准看護師が行う禁煙支援の実態と彼らが持つニーズを明らかにする。そして、ガイドブックに何を盛りこむのか、どのような内容にするのかなどについて、研究分担者らと多角的視点で意見交換を行いながら作成を進める。さらに、現役の禁煙外来熟練看護師2名程度に、作成したガイドブックの内容の適切性、利便性についてヒアリングを行い回答を得る。研究分担者および現役の禁煙外来熟練看護師との協議を重ね、ガイドブックの修正を繰り返し洗練化させる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和2年度は、PC購入のための物品費、学会参加のための旅費、質問紙調査の回答集計のための人件費も予定していたが、調査の遅れからPCの購入や質問紙調査の回答集計が遅れている。加えて、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、学会参加目的の県外移動が憚られたため、旅費は使用しなかった。 令和3年度は前年度に行えなかったPC購入(物品費)や回答集計(人件費)を行う。また作成したガイドブックの内容の適切性、利便性について研究分担者以外に現役の禁煙外来熟練看護師に意見を求める予定とし、その協力依頼のため状況をみながら県外移動(旅費)を行う。加えてガイドブックの試作(その他)や学会参加(旅費)も行っていく。
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