研究課題/領域番号 |
20K10769
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
上野 里絵 東京医科大学, 医学部, 准教授 (20598677)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | フィンランド / 教育プログラム / 専門家 / 精神疾患を有する親 / 子育て支援 |
研究実績の概要 |
2020年度は、LTを用いた専門家への包括的教育プログラムの開発をするため、下記3点の研究活動を予定していた。①フィンランドやオーストラリアにおけるLTの教育プログラムの視察、研修受講等を通して、教育内容、継続的サポート体制等の情報取集を行う。②LTを実践しているスウェーデン、デンマーク、イギリス等の教育プログラムに関する文献、研究成果等を情報収集し文献検討を実施。③①及び②を通して得た情報を統合・分析し、LTを用いた専門家への包括的教育プログラムを開発する。開発したプログラムの妥当性、実現可能性等をフィンランドやオーストラリアらの研究者・実践家、日本のLTトレーナーらとディスカッションし、洗練、修正する。 しかし、新型コロナウイルスのため、当初の予定では研究活動の遂行が困難であると判断し、本研究目的を十分に鑑みた研究内容を再構築し、研究を行った。具体的には、フィンランドの研究者から、フィンランドにおける専門家への教育内容やこれに係る資料等の情報収集、当該資料の日本語訳をフィンランドの研究者の許可を得て行った。②専門家への研修会を実施した。本研修会では、前述の①にて収集した教育プログラム、翻訳した資料等を用いて、教育プログラムを構築し、計3日間のオンラインによる研修会を実施した。③オンライン研修会に参加した専門家より研修会に関する感想や意見、さらに研修会で学んだ支援法を実践した意見や感想についても確認した。フィンランドの研究者等からの協力を得ながら、パンデミックな状況下で本研究目的に即し、実施可能な教育内容を作成し、実施できたことは意義が大きいと考える。また今年度の成果は、次年度の研究課題や発展性の検討につながる意義ある研究であったと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度は、フィンランドやオーストラリアにおけるLTの教育プログラムの視察、研修受講等を通して、教育内容、継続的サポート体制等の情報取集を行う予定であったが、新型コロナウイルスのため、海外での視察、研修受講を実施することはできなかった。世界的なパンデミックの影響により、国内外の研究者からの協力を得ながら研究活動を円滑に実施することが困難であった。
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今後の研究の推進方策 |
2021年の研究は、ワークショップ開催、研修会開催など集合型の対面による研究遂行を予定していた。しかし、今年度も新型コロナウイルス感染対策を考慮した研究遂行が必要となることが十分に予測される。対面をオンラインにすることも検討しているが、そのメリット・デメリットもあるため、本研究目的を十分に達成するための研究方法について、現在研究協力者らとともに再考している。 他方、2020年度の研究より、今後の研究課題および研究の発展に向けた方向性への示唆を得ることができたと考える。具体的には、昨年度実施したオンラインによる研修会での教育内容の改善点、成功した点、発展させていくための課題などである。これらの研究成果を引き続きフィンランドの研究者らと共有し、また協力を得ることで、研究を推進していくことができると考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
パソコンを購入予定であったが、研究費が足りず、次年度研究費で購入することとなったため、未使用額が生じた。2021年度研究費と合わせてパソコンの購入に使用する予定である。
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