研究課題/領域番号 |
20K10845
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
石原 孝子 東海大学, 医学部, 講師 (70580851)
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研究分担者 |
岡部 明子 東海大学, 医学部, 准教授 (90287053) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 医療的ケア児 / 通常学校 / 看護職 / 教育医療連携 / 保護者 |
研究実績の概要 |
医療的ケアを要する在宅療養児が就学する際に生じる「学校における医療的ケアの実施」に関する問題の現状と、その課題解決のための医療サービス拡充のひとつとして看護師によるケア提供のあり方を検討し、医療的ケアを必要とする子どもたちが通常学校に就学する際の体制構築のための基礎資料を得ることを目的とした。 通常学校において医療的ケアを受ける児をもつ保護者を対象とした質的調査ならびに通常学校において医療的ケアを提供している看護職を対象とした量的、質的調査を継続的に計画した。限られた対象であるうえに、様々な要因から接触が難しいことが多く、十分な症例を得るに至っていない。 通常学校で医療的ケアを担当している看護職は、教育委員会の雇用がほとんどだが、会計年度任用職員という不安定な雇用であり、教育現場での医療職のあり方の難しさが浮き彫りになっている。保護者と訪問看護事業所が個別契約をして学校での医療的ケアにあたる事例もあるが、「居宅」ではないため制度としての利用は不可能で、教育現場に入る以上教育委員会との交渉も必要になる。費用については自治体が負担(看護職を雇用する代用として)する場合もあるが、保険適用外となるため負担は重い。 教育委員会に雇用されている場合も実態は様々で、本来の目的である保護者の付き添いをゼロにすることはできていない。看護職のあり方としても非常に不安定で、医師や保護者との連携も取りにくいなど不安は尽きず、人材の確保が困難となっている。 医療的ケアを必要とする児童が安心して就学でき、保護者も安心して就労できるような体制構築、そして実際に現場で対応する看護職も安全に安心して働くことができるような体制構築が求められている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
保護者との接触を望まない教育委員会および学校関係者の考えと、まだ残る感染症の影響の双方の観点から、対象把握と対象へのアプローチが難しい。児童も看護職も流動が著しいことも影響を及ぼしている。
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今後の研究の推進方策 |
今後も継続して対象把握と対象へのアプローチを試みる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
対象把握とアプローチの困難から、調査に関わる費用に変更が生じている。また、COVID-19の影響から、5類移行後も学会開催方式等がオンラインのままだったりと、使用予定額に変更が生じる要因となっている。 今後は、そうした出張旅費等の発生も予測され、データ分析・整理の費用に充当する。
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