研究課題/領域番号 |
20K10914
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研究機関 | 高知県立大学 |
研究代表者 |
瓜生 浩子 高知県立大学, 看護学部, 教授 (00364133)
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研究分担者 |
長戸 和子 高知県立大学, 看護学部, 教授 (30210107)
久保田 聰美 高知県立大学, 看護学部, 教授 (50827631)
畦地 博子 高知県立大学, 看護学部, 教授 (80264985)
中井 美喜子 高知県立大学, 看護学部, 助教 (80827634)
坂元 綾 高知県立大学, 看護学部, 助教 (90584342)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 家族看護 / コンフリクト |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、患者・家族と看護者の間のコンフリクトの発生および悪化の予防を目指して、看護者を対象とした教育プログラムを開発することである。患者・家族と看護者の間には様々なコンフリクトが発生することが多いが、その多くは当事者の主観的認識から生じており、医療紛争になる前の認知齟齬の段階から対応することが必要だと言われている。したがって、早期にコンフリクト発生の兆しを察知し、適切な対応をとることで、関係悪化や当事者の苦悩を防ぐことができると考え、本研究では家族看護の考え方を活用しながら、コンフリクトの予防を積極的に図るための教育プログラムの開発を目指している。 今年度は、引き続き、患者・家族と看護者の間に生じやすいコンフリクトの特徴を明らかにすることに取り組んだ。昨年度得たエキスパート看護師や看護管理者、患者・家族への聞き取りのデータに、文献から抽出した患者・家族と医療者とのトラブルや認識のずれが生じている場面をデータとして補い、分析した。その結果、患者・家族と看護者の間に生じやすいコンフリクトの特徴として、患者・家族が抱く思いや感情に対する看護者の察知不足、患者・家族の期待と看護者の対応とのギャップ、患者・家族の不満や怒りからくる攻撃的態度とそれに対する看護者の防衛的反応から生じる距離などの様相が見えてきた。 次の段階として、患者・家族と看護者との間のコンフリクトの兆しを捉える視点と関係の立て直しを図る方略を明らかにするため、エキスパート看護師を対象とした面接調査を計画し、インタビューガイドの作成に取り組んだ。現在はデータ収集に向けて、研究倫理審査受審の準備を行っているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
看護者を対象にロールプレイと聞き取り調査を行う予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響と本務の多忙により、実施に向けた準備を整えることができず、実施に至らなかった。文献によるデータの追加と、研究計画の修正を行い、データ収集の準備をしているところである。
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今後の研究の推進方策 |
研究目標3(患者・家族と看護者の間にコンフリクトが生じる前段階の兆しを捉える視点と関係の立て直しを図る方略を明らかにする)について、エキスパート看護師を対象とした面接調査により明らかにする。その結果を基に、「患者・家族と看護者間のコンフリクトの発生・悪化を予防する教育プログラム」を作成する。 当初計画では、作成した教育プログラムを活用して看護者を対象とした教育を実施し、効果の検証と洗練化を行う予定であったが、最終目標を教育プログラムの作成までに修正し、実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた面接調査やロールプレイを伴う聞き取り調査、フォーカスグループインタビューが実施に至らず、それにかかる謝金や交通費、データや資料を整理するための賃金が発生しなかったことから、残金が大幅に生じた。 次年度は、エキスパート看護師を対象とした面接調査とその分析を行う予定であり、それにかかる謝金や交通費、逐語録作成やデータ整理のための賃金等に使用予定である。また、その結果を基に教育プログラムを作成するため、資料整理のための賃金、教育プログラムの冊子制作のための費用にも使用予定である。
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