多様な健康レベルにある地域高齢者の体重減少と入院・予後に関する縦断研究

2020 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 20K10975
• 研究機関: 佛教大学
• 研究代表者: 矢野 朋子 佛教大学, 保健医療技術学部, 助教 (50802477)
• 研究分担者: 樺山 舞 大阪大学, 医学系研究科, 特任准教授(常勤) (50635498) ; 神出 計 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (80393239)
• 研究期間 (年度): 2020-04-01 – 2024-03-31
• キーワード: 地域在住高齢者 / 体重減少 / 介護予防 / 予後 / コホート研究

研究実績の概要

本研究は、地域在住一般高齢者や要介護状態にある在宅医療受療中の高齢者を対象にこれまでに解明されてなかった縦断的な解析により体重減少ならびに血清アルブミン低値と入院や死亡との関連とその要因を明らかにすることを目的とし、地域で暮らす様々な健康レベルにある高齢者に対して介護予防に貢献するデータ創出が可能となると考える。
初年度である令和2年度は、在宅医療を受けている高齢者(OHCARE研究)のベースラインデータを各医療機関の協力を得て、収集を完了した。また、地域で暮らす高齢者を対象とした健康長寿研究(SONIC研究)の既存データを用いて、5%体重減少のある高齢者は、6年後調査脱落者になる可能性があることを明らかにした。この結果は、国内学会で発表した(第79回日本公衆衛生学会総会)。さらに、前年度研究テーマの海外文献のシステマティックレビュー・メタ解析論文発表に引き続き、今年度は国内文献レビュー論文を発表した。

現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

COVID-19の影響により当初予定していた地域で暮らす高齢者を対象とした健康長寿研究(SONIC研究)が中止されたためベースラインデータの収集が出来なかった。そのため、状況を確認しながらデータ収集および解析を進めていく。

今後の研究の推進方策

2021年度は、在宅医療を受けている高齢者(OHCARE研究)の1年後データ収集を、また状況を確認しながら、地域で暮らす高齢者の健康長寿研究(SONIC研究)からベースラインデータ収集を行う。データ収集後の統計解析にて、高齢者長寿健診から在宅医療を受けている高齢者まで多様な健康レベルにある高齢者の体重減少とその要因、さらに体重減少者の1年後の死亡・入院・入所者を把握し、体重減少との関連性を調べる。

次年度使用額が生じた理由

COVID-19の影響により当初予定していた地域で暮らす高齢者を対象とした健康長寿研究(SONIC研究)が中止された。次年度以降の健康長寿研究の研究フィールドへの出張費等の必要経費に充てる。

研究成果

• [雑誌論文] 日本での高齢者の体重減少と死亡ならびに入院との関連とその要因の文献検討 (2020)
  • 著者名/発表者名: 矢野朋子, 樺山舞, 神出計
  • 雑誌名: Geriatric Medicine 巻: 58 ページ: 443-450
  • 査読あり
• [雑誌論文] Associations of blood pressure levels with clinical events in older patients receiving home medical care (2020)
  • 著者名/発表者名: Eriko Koujiya , Mai Kabayama , Mariko Yamamoto , Masako Akiyama , Yoko Higami , Kana Kodama , Sakino Mukai , Tomoko Yano , Yumiko Nako , Toshinori Nakamura , Atsushi Hirotani , Toshio Fukuda , Michio Tamatani , Yoshinari Okuda , Masashi Ikushima , Yoshichika Baba , Masahiro Nagano , Hiromi Rakugi , Kei Kamide
  • 雑誌名: Hypertension Research 巻: - ページ: -
  • DOI: 10.1038/s41440-020-00538-5
  • 査読あり / オープンアクセス
• [学会発表] 地域在住高齢者における年代別体重減少と6年後調査脱落との関連 (2020)
  • 著者名/発表者名: 矢野 朋子 , 呉代 華容 , 樺山 舞 , 神出 計
  • 学会等名: 第79回日本公衆衛生学会総会