研究課題/領域番号 |
20K11041
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
牧野 真弓 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (50714169)
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研究分担者 |
吉江 由加里 福井医療大学, 保健医療学部, 講師 (00723826)
泉 キヨ子 帝京科学大学, 医療科学部, 教授 (20115207)
加藤 真由美 金沢大学, 保健学系, 教授 (20293350)
正源寺 美穂 金沢大学, 保健学系, 助教 (80345636)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 転倒予防 / 身体拘束 / 認知症高齢者 / 看護師 / 組織の文化 / メンタルモデル |
研究実績の概要 |
認知症高齢患者へ、一般病院での治療を支援しながら、身体拘束を行うことなく、入院中の転倒を予防していくことが、看護師に求められている。本研究は、病棟チームの認知症ケアのメンタルモデル(病棟文化)を構築し共有することが、認知症患者への、身体拘束回避に有効であるという仮説のもと、拘束回避に取り組む病棟看護師チームの機能的特徴を明らかにしたモデルを作成し、効果を検証することを最終目的とする。 チームメンタルモデルとは、チームメンバーが共有している課題や、目標達成を目指す意気込みや態度のために、メンバー同士が流動的に暗黙の内に互いの仕事を調整していることをいう。構築できると、他のメンバーが何を行い、何を必要としているかを予期し、効率的に遂行するための行動調整が可能になるといわれている。看護師の理念には、病棟特有の文化の影響や、倫理的ジレンマを感じた際に患者のWell-beingよりも習慣を優先して採用する傾向が指摘されている。看護師が予防的に身体拘束を行う背景には、[皆が安心して効率的に仕事を行うため、しなかった者は事故の責任を負わねばならない]病棟文化、すなわち「負」のメンタルモデルが原因ではないかと考えた。 本年度は当初、病棟での身体拘束回避の促進要因と障壁要因を質的帰納的に明らかにすべく、フォーカスグループインタビューを行う計画であった。しかし、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、感染予防対策や医療が最優先される状況にあり、密になるグループインタビュー調査を実施する時期として適切ではないと判断された。そのため、論文の執筆や、促進要因と障壁要因に関する文献検討を優先して行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度は当初、病棟での拘束回避の促進要因と障壁要因を質的帰納的に明らかにすべく、北陸地区でフォーカスグループインタビューを行う計画であった。しかし、新型コロナウイルス蔓延に伴い、県外の移動が制限されたこと、感染予防対策が最優先される状況にあり、医療従事者の物理的精神的負担が増す中で、密になるグループインタビューを実施する時期として適切ではないと判断された。そのため予定を変更して、論文の執筆や、促進要因と障壁要因に関する文献検討を行った。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度は、新型コロナウイルスの感染が収束する目途が立たないため、本年度もインタビュー調査を進めることは難しいと判断された。予定を変更し、文献検討を基に、身体拘束を回避の促進要因と障壁要因を整理し、質問紙の調査項目を選定して作成を行うこととする。研究分担者とは、Webでのミーティングでディスカッションを行い、内的妥当性、表面妥当性の検討を行った上で、質問項目を絞り、精選させていく予定である。質問紙調査票を完成させた後に、倫理審査の申請を目指す。プレテストは、熟練看護師30名程度を対象に実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症の蔓延の為、予定したインタビュー調査が行えなかったため。
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