研究課題/領域番号 |
20K11135
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研究機関 | 湘南鎌倉医療大学 |
研究代表者 |
小山 幸代 湘南鎌倉医療大学, 看護学部, 教授 (70153690)
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研究分担者 |
千葉 京子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 准教授 (40248969)
綿貫 恵美子 北里大学, 看護学部, 准教授 (80327452)
シェザード・樽塚 まち子 北里大学, 看護学部, 講師 (10406902)
岡本 聡美 北里大学, 看護学部, 助教 (80880335)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 認知症の人 / 当事者 / 生活行動 / 引き出す / コミュニケーションスキル / ヒアリング調査 |
研究実績の概要 |
本研究の教育プログラムの教材は、研究者らの研究成果である『認知症の人の生活行動を引き出すコミュニケーションスキル』である。本コミュニケーションスキルについては、これまでに認知症ケア専門家および地域住民の意見は確認しているが、認知症の人当事者からの意見は確認していない。そこで、就労型デイサービスを利用している認知症の人を7名対象に、ヒアリングを実施した。Covid-19感染拡大時の5月に実施となり、急遽、事業所であるNPO法人のスタッフに協力を得て書面での調査となった。協力依頼と研究成果の説明をわかりやす文書で記載し、コミュニケーションスキルについては、場面を設定しイラスト入りで提示した。スタッフの『・・してください』『・・しましょう』という依頼や誘う言葉かけが、日常会話の常識(依頼・誘いには、拒否は避けられ承諾が優先する)を身につけてる認知症の人の生活行動を引き出す働きのスキルである、など4つのスキルを提示した。それぞれに、4段階の選択肢を設け回答を求めた。 7名中5名から回答用紙の返信があった。4つの設問に対し、納得できる40~80%・おおよそ納得できる20~40%・あまり納得できない20~0%・納得できない0%であった。自由記載欄には、『認知症のある人に対し、これまでの日常生活の習慣ややり方を尊重した丁寧な対応 と質問になっていると思います。当事者としても非常に答えやすい質問の仕方になっていると思います』などがあり、概ね認知症のある当事者に納得して頂けるスキルであると考えられた。引き続き、対象者を増やしてヒアリング調査し、当事者の意見を反映できるコミュンケーションスキルとして、教育に活用しく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度実施予定の当事者へのヒアリングに着手できたが、Covid-19感染拡大のため、1ケ所の事業所の5名のみの実施にとどまった。引き続き、対象者を増やして調査する必要がある。また、Covid-19感染拡大下の医療・介護施設に対して、教育プログラムの実施の協力施設の依頼が困難な状況が続いている。
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今後の研究の推進方策 |
本年実施した認知症の当事者への書面によるヒアリング調査内容や方法が適切だったことが確認できたため、対象者を増やして調査を継続する。それらの結果から、本教育プログラムの改善について検討する。 また、covid-19感染拡大下において教育的介入が実施できない状況が続いている。この間の認知症の人とのコミュニケーション、ケア提供者への教育プログラムに関する研究が進展している可能性もあるため、再度、系統的な文献検討を実施し、本教育プログラムの検討を行う。 合わせて、本教育プログラムを実施し、有効性の検証への協力施設の開拓を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
Covid-19感染拡大のため、予定していた認知症の当事者へのヒアリングが縮小されたこと、 および教育的介入の協力施設依頼ができなかったため
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