研究課題
本年度は基本的にはこれまで開発を進めてきた計測方法を用いて,地域在住高齢者193名を対象として①立位姿勢,②下肢機能,③歩行機能の計測を進めた。①立位姿勢については,バックボード,骨盤ベルトを利用し,立位姿勢の撮影を行い,アプリを用いて立位姿勢の骨盤傾斜角度および下腿傾斜角度で立位姿勢を4タイプ(骨盤前傾・膝関節伸展,骨盤前傾・膝関節屈曲,骨盤後傾・膝関節伸展,骨盤後傾・膝関節屈曲)に分類した。また,②下肢機能については,これまで同様,等尺性筋力および無負荷での角速度(運動速度)の計測をハンドヘルドダイナモメーター,ジャイロセンサーを用いて行った。今年度は,これまでの股関節伸展,膝関節伸展・屈曲,足関節底屈に加えて,歩行速度,特に遊脚期の速度に関与することを想定して,新たに股関節屈曲の計測を行った。また,③歩行機能に関しては,マーカーレス3次元動作分析を実施した。立位姿勢に関して,中央値に基づく分析では,骨盤前傾・膝関節伸展,骨盤後傾・膝関節屈曲のタイプが,他の2タイプよりも割合が高いことが明らかとなった。これは,骨盤傾斜角度と膝関節角度に一定の関係があることを示している。また,股関節屈曲に関して,主成分分析の結果,他関節とは異なる特徴があることが明らかとなった。全体としては,昨年度同様,歩行速度を決定する要因はタイプごとに異なるが,下肢機能・歩行機能ともに,タイプごとの差は存在しないことが明らかとなった。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件) 産業財産権 (1件)
Scientific Reports.
巻: 13 ページ: -
10.1038/s41598-023-50275-1.
European Journal of Physiotherapy
巻: 36 ページ: -
10.1080/21679169.2023.2267619