本研究は、発達障害や知的障害において高率で併発する運動の不器用さがどのようなメカニズムで生じているのかを明らかにするために行った。運動の不器用さというのが、思い通りに身体を動かせない状態ととらえて脳の中の自己身体像が正確な実際の身体を反映していないと考えた。そこで、すでに我々が取り組んできた脳内の自己身体像を反映する身体特異性注意に着目して、不器用さのある発達・知的障害児に対して身体特異性注意を計測した結果、個人差が大きく、全体としての傾向を捉えることは難しかったが、軽度の児童では身体特異性注意の低下を示す傾向が認められた。幅広く発達・知的障害児に適応するためには、課題の改良が必要であった。
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