タキソイド抗腫瘍剤・ドセタキセルは、副作用として続発性リンパ浮腫を引き起こす。そこで、ドセタキセル注入により、リンパ浮腫の動物モデルが作成できるかどうかを検証した。ドセタキセルをラットの腹腔内へ複数回投与後、体重、下肢径の変化を測定し、浮腫の有無を調べた。下肢全周パラフィン組織標本を作製し、podoplanin抗体による免疫組織染色によりリンパ管形態を観察した。ドセタキセル注入ラットの下肢全周標本で、podoplanin陽性リンパ管内皮細胞の同定に成功した。しかし、ドセタキセル注入により、再現性を有した形で続発性リンパ浮腫をラットに誘導するには、投与方法等の検証がさらに必要であると考えられた。
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