認知症の危険因子としてライフイベントのような社会心理的要因の影響が考えられるが、ライフイベントとの関連は明らかにされていない。特に、発症時期の差をもたらす一因としては高齢者のフレイル状態等、健康状態による違いが考えられるが、フレイルとライフイベントとのエビデンスは少ない。 そこで本研究では、高齢者機能健診を用い、高齢者におけるライフイベントの実態とフレイルとの関連を明らかにした。その結果、ネガティブライフイベントがあり、ポジティブライフイベントが少ないことはフレイルとの関連が見られた。縦断研究による脳委縮との関連は明らかにできなかったものの、さらなる追跡検討が必要と考えられえる。
|