本研究では、頭頸部の慢性疼痛の誘発因子として、頸部痛を誘発する「頸椎の病態運動」と「筋の持続収縮」に着目した研究を実施した。頸椎の可動域制限に伴う努力性の運動では、頸胸椎移行部に頸椎の病態運動が出現しやすいため、頸椎の可動域を維持することが重要である。研究1では、頸椎の可動域を維持するためには上位胸椎の運動が重要であることを明らかにした。研究2では、頸椎の可動域を向上させるためには僧帽筋の筋硬度を低くすることが重要と明らかにした。研究3では、座位姿勢において後頸部の筋の筋硬度を低くする条件があることを明らかにした。運動療法では、これらの条件を取り入れることが重要と考える。
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