臨床で遭遇する慢性疾患患者は、原疾患そのものの特異的な病態や二次的な廃用症候群のために運動を十分に実施できないことが多く、これらの人々への運動処方は慢性疾患対策が直面している大きな課題のひとつとなっている。したがって、運動制限を有する患者を対象にした場合においても、優れた運動効果をもたらすことができる、他の方法論の早期開発が求められている。 本研究は基礎的研究に基づくものであるが、その成果は寝たきり患者や体力が低下した患者であっても施行可能である温熱刺激、ビタミンD投与またはそれらを組み合わせた介入が、悪液質に由来する代謝異常とそれに伴う筋萎縮の予防・治療に有用である可能性を示唆している。
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