研究課題
初年度は、新型コロナウイルス感染症拡大によって、測定予定であった試合の中止が多発し、競技中の測定が困難を極めた。したがって、3年目に予定していた新規糖質摂取法であるSleep-Low法の介入実験に関する予備実験を先行して実施した。その結果、Sleep-Low法群の最大酸素摂取量や最大仕事量は有意に増加し、呼吸交換比や体重については、有意に減少した。しかしながら、Sleep-Low法群の除脂肪体重についても有意に減少した。以上のことから、短期間の集中的なSleep-Low法は、タンパク質の摂取状況については配慮が必要であるものの、最大酸素摂取量の増加や糖質燃焼量の抑制に寄与することが示唆された。2年目である2021年度には、サッカー競技中における血糖値および糖代謝動態の変化が競技パフォーマンスに与える影響について検討した。その結果、血糖値および血中乳酸値については、競技開始時からハーフタイム時にかけて有意に上昇したが、血中乳酸値については、競技終了時の値がハーフタイム時に比べて有意に低値を示した。また、13C-グルコースを用いた糖代謝量については,競技開始時からハーフタイム時までは有意に上昇し、競技終了時には、競技開始時と同程度の値に戻った。さらに、競技後半の13C-グルコースを用いた糖代謝量の変化量とボールタッチプレー回数の変化量との間には、有意な中程度の相関関係を認めた。3年目である2022年度には、予定通り、Sleep-Low法の介入がサッカー競技中における糖代謝動態の変化および競技パフォーマンスにもたらす効果について検討した。その結果、Sleep-Low法の介入により、サプリメントとして補給した外因性グルコースの代謝を抑制したが、競技パフォーマンスの改善にまでは至らなかった。
すべて 2022
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)
教育医学
巻: 67 ページ: 217-225
10.32311/jsehs.67.4_217
Journal of Education and Health Science
巻: 67 ページ: 208-216
10.32311/jsehs.67.4_208