骨粗鬆症はQOL(quality of life:生活の質)を低下させるだけではなく、高齢者の生命にも関わる重大な疾患である。また、我が国の医療費は2018年度には42.5兆円と国家予算の約半分となり、国民の生活を圧迫する大きな要因ともなっており、骨粗鬆症予防が喫緊の課題となっている。奇数鎖脂肪酸(C15:0, C17:0)の破骨細胞分化抑制効果と骨の代謝メカニズムとの関連性を明らかとすることは、生体内に存在する脂質バランスと骨粗鬆症発症機序との関連性の解明や脂質に着目した食と栄養学的な骨粗鬆症発症予防に有用な知見となると考えられる。
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