脂肪酸結合タンパク質(FABP)は、細胞内で脂肪酸に結合・可溶化することで代謝や脂肪酸シグナル伝達など多様な細胞内プロセスに関与する。FABP5の標的遺伝子候補として見出した、細胞骨格に関わると思われるKeratin-42(Krt42)について、特異的な抗体の作製、組織での発現解析および遺伝子転写調節機構の解析を行った。その結果、高い特異性を有する抗体を得ることができ、Krt42産物は胸腺上皮細胞に発現することが判明した。Fabp5遺伝子発現をノックダウンするとKrt42遺伝子発現は亢進することから、FABP5が関与するシグナル伝達系はKrt42遺伝子発現を抑制的に制御する可能性が示唆された。
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