ナチュラルコンピューティングでは,生体系を並列分散処理のハードウェアとみなして計算困難問題の解を求める計算モデルとしての研究が注目を集めている.本研究では,従来の研究では考慮されることの少なかったナチュラルコンピューティングの現実世界での実行速度に焦点を当て,アルゴリズムの実行速度を考慮した場合の計算モデルの計算能力の検証や,高速に実行可能な計算操作を用いた計算困難問題に対するアルゴリズムの提案を行なった.また,提案計算モデルに対する並列計算シミュレータを開発し,シミュレータ上において提案アルゴリズムの正当性,及び,実効性の検証を行うとともに,解の精度や計算速度についても評価を行なった.
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