データに基づく個別化医療の達成に向けたアプローチの一つである「動的治療レジメン」に関する解析手法の理論的基盤は未だ広く議論されているわけではない。本研究課題における、複雑なデータ構造における統計的因果推論を土台とした手法開発によって、傾向スコア解析(複雑なフィードバック構造データ解析で中心的役割)の理論整備、直接効果(複数変数への複雑な介入の定式化)、g-公式(広範な因果効果の一般化された識別公式)の理論検討につながった点で学術的意義を有する。さらに、がん臨床試験やCOVID-19の観察研究データ解析への適用により緊急性の高い疾患への医学的知見を創出することにもつながった。
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