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2021 年度 実施状況報告書

世界自然遺産に設置するための気象・地象・生態系センサノードの開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K11724
研究機関弘前大学

研究代表者

金本 俊幾  弘前大学, 理工学研究科, 教授 (30782750)

研究分担者 石川 幸男  弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (80193291) [辞退]
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードセンサノード / エナジーハーベスティング / 低消費エネルギー / 低電圧動作 / ノイズ耐性
研究実績の概要

再構成可能デバイスFPGA(Field-Programmable Gate Array)を用いたプロトタイピングによりモニタリングに必要な集積回路の機能および性能を明らかにしたセンサノードについて、FPGAに実装したプロセッサの機能記述に基づき集積回路TEG(Test Element Group)試作を行った。
試作は2段階とし、まず消費エネルギー低減のための電源電圧の最適化、および電源電圧変動量抑制のための容量素子配置最適化に関するTEG(TEG1)を180nm CMOSロジックプロセスにて試作した。TEG1に印加すべき電源電圧および電源インピーダンスを回路解析および今後の実測評価により明らかにする。
次に、消費エネルギー低減のための電源、バックゲート電位(MOSトランジスタのしきい値)最適化に関するTEG(TEG2)を65nm SOTBプロセスにて試作した。TEG2は、気象・地象・生態系センサノードを実際に構成できる集積回路であり、2022年8月に完成予定である。TEG2に印加すべき電源電圧、バックゲート電位、および許容電源電圧変動量を薄膜BOX構造SOIの回路解析および完成後の実測評価により総合的に明らかにしたうえで気象・地象・生態系センサノードを構成し、積雪厳寒期に亘るフィールド検証を行う。
両試作において、集積回路上に形成および配置可能で、かつ nFオーダーの容量値を確保できる容量素子を実装した。また、研究分担者が白神と並んでセンサノード設置候補となる知床世界遺産地域にて現地調査を行い、設置環境に関する知見を得た。
これらの研究成果の一部は、国内会議1件及び国際会議1件にて公表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の令和3年度の研究実施計画では、薄膜BOX構造SOI集積回路上に形成あるいは配置可能で、かつ nFオーダーの容量値を確保できる有効な容量素子をデバイス解析、回路解析、数値解析およびTEG(TEG1)の実測を通して明らかにし、電源電圧変動量を許容内にするオンチップ電源網回路の構成および回路定数決定法を確立する予定としていた。
令和2年度は薄膜BOX構造SOI集積回路の試作が困難となっていたため、TEG1は従来の集積回路製造プロセスを用いたが、後続のTEG2では薄膜BOX構造SOIにて試作を行った。また、令和2年度に予定していた対象フィールドに設置可能な環境発電手段についての現地調査を令和3年度に変更していた。
これらの予定に対し、TEG1、TEG2の試作は計画通りのスケジュールで設計完了しており、TEG1は完成している。設計工程において得られた知見について、国内会議1件及び国際会議1件にて公表した。また、センサノード対象フィールドの現地調査も予定通り行った。
半導体に関わる部材の供給遅延により、TEG1の実測を通した電源電圧の最適化および集積回路上に配置した容量素子の有効性確認は令和4年度に行うが、デバイス解析、回路解析、および数値解析を用いた見積もりは令和3年度に行っている。また、TEG1とTEG2の評価治具を共通化することにより、TEG1の実評価をTEG2の評価準備と併せて進めることを可能とした。
したがって、全体としておおむね順調と言える。

今後の研究の推進方策

半導体に関わる部材の供給遅延によりTEG1の実測評価は令和4年度に行うが、TEG2は当初計画通り8月に完成予定であり、評価治具共通化等の施策により、TEG2完成までに当初計画通りのスケジュールに戻す。
今後、FPGAに実装した機能および性能を供給可能なエネルギー量で実現することを目指し、集積回路に印加すべき電源電圧、バックゲート電位、および許容電源電圧変動量を薄膜BOX構造SOIの回路解析および実測により明らかにする。
また、集積回路TEG(TEG2)を実装し気象・地象・生態系センサノードを構成し、積雪厳寒期に亘るフィールド検証を行う。

次年度使用額が生じた理由

半導体に関わる部材の供給遅延により、評価治具の納品が令和4年度となった。これにより次年度使用額が生じた。また、学会発表に関わる旅費の支出がなかったことも理由のひとつである。
次年度に評価治具費のほか、TEG2の面積増に伴う作成費用の増加が見込まれるため、未使用額はそれらの費用に充てることとしたい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 低消費エネルギープロセッサのSoC物理設計2022

    • 著者名/発表者名
      葛西瀬梨亜、畠山寛、今井雅、黒川敦、金本俊幾
    • 学会等名
      令和3年度 情報処理学会東北支部研究会
  • [学会発表] An Energy Efficient Processor Applicable to Continuous SPO2 Monitoring2021

    • 著者名/発表者名
      Hatakeyama Kan、Kasai Seria、Imai Masashi、Kurokawa Atsushi、Kanamoto Toshiki、Fukushima Masami、Kitagishi Koichi、Nakayama Seijin、Ishihara Hideki
    • 学会等名
      2021 IEEE 10th Global Conference on Consumer Electronics (GCCE)
    • 国際学会
  • [備考] 弘前大学 大学院理工学研究科・理工学部電子情報工学科 金本 俊幾 研究室 研究業績

    • URL

      https://www.eit.hirosaki-u.ac.jp/~kana/profile.html

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公開日: 2022-12-28  

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