研究課題
基盤研究(C)
無線LANは,単なる高速通信のみでなく,高信頼性や公平性など多様な通信要求への対応が求められてきている.無線LANは規格の更新に伴い,より多様な通信パラメタを設定可能となっているが,通信パラメタは多数存在し,かつそれらが互いに関係し合うため,それらの組み合わせも考慮すると,通信パラメタの探索空間は膨大となる.本研究では,実環境上での端末間の通信状況から得られる情報をもとに,シミュレーション環境を援用した通信パラメタの選択に役立てるために必要な技術である,実環境からの情報取得方式を提案する.
モバイルコンピューティング
本研究では,(1) MAC層情報の取得に関して,キャプチャツールの並列化を行うことで,MAC層情報を高速にシミュレーション環境下に取り込む方式の実現と,(2) 物理層情報をシミュレーション環境下にできるだけ正確に取り込む方式として,無線フレームのプリアンブル部の信号への正確な同期方式を考案した.これらの方式により,実環境での端末間の通信状況から,それをシミュレーション環境内へできるだけ高速に,かつ正確に取り込むことができるようになり,シミュレーション環境と実環境間の整合性の向上が可能となる.