従来の耐量子高機能暗号プロトコルの多くは、(耐量子でない)プロトコルに比べて鍵サイズや通信量が大きいという欠点があった。特に、IoT環境では十分なストレージ容量や通信環境の確保が難しいため、鍵サイズや通信量をどこまで削減できるかが大きな課題であった。将来的にIoT環境でも耐量子安全性が必要になると予想される。本研究で提案した耐量子高機能暗号プロトコルは同種写像問題に基づくことにより、従来の方式よりも通信量や鍵サイズを大幅に小さくすることができており、IoT環境でも利用が可能であると考えられる。また、複雑な実用認証プロトコルの検証手法の創出は耐量子以外の研究課題においても活用できる可能性がある。
|