研究課題
基盤研究(C)
各種データの電子化, 共有, 処理が可能な今日, 機密データさえも他組織と共有し利活用を可能とする手法が期待されており,その中で秘密計算と呼ばれる暗号技術が中心的役割を果たしている。秘密計算により複数のデータ保有者らは持ち寄った機密データを秘匿したまま計算し, 出力のみを得ることができる。一方、秘密計算ではデータを秘匿したままでの計算を行うことから通常の計算と比べ、計算速度が遅いという欠点がある。本研究では秘密計算の社会での利用促進に向けその効率化に取り組んだ。
暗号技術
本研究では(1)秘密分散に基づく秘密計算手法、(2)完全準同型暗号に基づく秘密計算手法、(3)ワンタイムプログラムという形式で秘密データの提供者と使用者が直接に通信しなくとも秘密計算を行える手法の署名権限委譲への適用、に取り組んだ。また分散電子台帳を利用することでワンタイムプログラム形式の暗号文を作成し、秘密計算などに利用する暗号鍵の漏洩対策技術の開発にも取り組んだ。