本研究は,音響情報処理の分野でこれまでは専ら人間の経験的な知見や技術に基づいて行われてきた音響計測や音場制御において,ロボティクス技術を利用することで自律化・効率化が行えないか検討することを目標とした.代表的な成果としては,まず,対象とする室(空間)の音響的計測を行うロボットおよび吸音材や音響反射板に代表される受動的な装置を駆動系によって制御するロボットのプロトタイプ開発を行った.次に,超指向性を持つパラメトリックスピーカにより発せられた音を室壁面に反射させることにより,仮想音源を聴者の背後や側面に生成するサラウンドシステムを開発した.
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