色対比と色同化は色覚の基本特性である。我々が近年発見した錯視「細い灰色線を白い細線でふちどると背景からの色対比が強まる」は、色覚の空間特性を理解するのに役立つ。本研究では錯視の最適条件の探索ならびに、発生要因のメカニズム解明を目指して心理実験ならびに眼光学シミュレーションを行ったものである。一様背景色の下での最適条件は、細い灰色線に細い白いふちどり線を配置するものである。特に赤緑(LM錐体軸)の背景色では線幅が1.5/60度と極めて細かった。眼光学シミュレーションとの差分を取ることで神経要因による色対比効果が求まり、中央周辺拮抗型の空間構造が明らかになった。
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