超高齢社会を迎えた日本では、高齢者に対してがん薬物療法を行う機会が増えている。在宅において、患者全身状態の変化を適切に拾い上げ治療に役立てることは、高齢者では容易ではない。今回、高齢のがん患者であっても時計型ウェアラブルデバイスを継続して装着し、生体情報を採録可能であることが示唆された。一方でICT操作に不慣れな高齢者の場合でも、あらたに開発した遠隔測定血圧計システムを用いることで、医療や見守りにつながることが期待される。実装にむけて、地域で見守るといった考え方を広く共有し、市民(小中高校における健康教育を含む)における啓発や災害時の対応を通じて多世代間協力を意識していくことは重要である。
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