研究実績の概要 |
2020年度は,リフレクションの評価観点とLTIツールの調査および設計フェーズと位置づけている. リフレクションに関する事例等の情報収集を行ない,国内外の先行研究および先進的な事例を調査した.ブルームの目標分類学(タキソノミー: Taxonomy)のアプローチに着目したリフレクションの分類学(Remembering, Understanding, Applying, Analyzing, Evaluating, Creatingの分類による深化に応じたリフレクション)と4Rsモデルによるリフレクション段階(Reporting & Responding, Relating, Reasoning, Reconstructingの4段階)に応じたプロンプトを用いて,質の高いリフレクションの要素としての観点を整理した. まずは,リフレクションの分類学を元に整理した観点について,すでに得られている学生のリフレクションに対し,整理した観点が含まれているか検証し,評価した.その結果,ほとんどの観点は質の高さの観点として利用可能であることを確認した.また,学生のリフレクションにほとんど含まれていなかった観点が一部存在したことから,これらについては,学習活動の見直しや学生へのリフレクションの指示に工夫が必要であることを明らかにした.質の高いリフレクションの要素としての観点の整理と評価については,15th International Technology, Education and Development Conference (INTED2021)にて発表した.また,リフレクションLTIツールに実装するためにリフレクションの分類学を元にリフレクションの深化を支援するプロンプト群を作成し,プロトタイプツールを開発した.
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