研究課題/領域番号 |
20K12154
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 気象庁気象研究所 |
研究代表者 |
仲江川 敏之 気象庁気象研究所, 応用気象研究部, 室長 (20282600)
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研究分担者 |
野坂 真也 気象庁気象研究所, 応用気象研究部, 研究官 (40751805)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | パナマ / 降水 / 地球温暖化 / 気候変調 / 年最大日降水量 / エルニーニョ / 降水日変化 / メカニズム |
研究成果の概要 |
本研究では、地球温暖化が進行する今世紀、パナマにおける降水量の変化とそのメカニズムの解明を行った。年最大日降水量を精度よく再現できる高解像度全球大気気候モデルMRI-AGCMを用いた1951年から2100年までの150年連続気候実験から、熱帯アメリカ平均では、温暖化の進行に伴って、年最大日降水量は増加する傾向が顕著であったが、パナマ平均ではエルニーニョ・南方振動を起源とする地上気温の年々変動の影響が大きいことが示された。また、MRI-AGCMの将来気候予測結果を、地域気候モデルを用いて、ダウンスケーリングし、降水量の季節変化再現性と降水量の日周期の再現性が、空間解像度が高いことを示した。
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自由記述の分野 |
水文気候学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、今世紀でみられる、エルニーニョ・南方振動に影響をうけるパナマの降水量変動が将来にわたっても続き、年最大日降水量の変化の不確実性が大きく、その主な理由が、エルニーニョ・南方振動であることを示し、学術的に新たな知見をもたらした。2010年12月に発生した大雨では、歴史上初めて、自然災害によりパナマ運河が利用できなくなった事例は、温暖化後にも発生しうることを示唆するもので、世界の海運業にも重要な情報を提供することができた。また、力学的ダウンスケーリング手法の現在気候再現性の高いことを明らかにし、この手法を用いることで将来予測の信頼度を高められることを示したことは学術界に貢献したと言える。
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