本研究では、多様な水草類全体を考慮した信頼性の高いリスク評価を目的に、水草の体系に着目した種の感受性分布(SSD: Species Sensitivity Distribution)の解析を実施した。 抽水植物のように根からの吸収を主とする水草とホザキノフサモのように葉状部全体から吸収する体系をとる水草とでは、特にジクロベニルやジマジンのような吸収移行型の農薬で毒性値が乖離することを明らかにした。これらの結果から、農薬の種類によっては系統分類に基づくSSD解析のみでは水草全体の感受性分布を把握することは困難であり、体系分類に基づいたSSD解析が必要であると考えられた。
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