研究課題/領域番号 |
20K12462
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
伊藤 良子 大阪府立大学, 看護学研究科, 講師 (00441139)
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研究分担者 |
梅田 直美 奈良県立大学, 地域創造学部, 准教授 (60618875)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 性暴力被害者支援 / ジェンダー規範 / セクシュアリティ規範 / 支援者 |
研究実績の概要 |
現在性暴力被害者支援の対象は、おおむね女性と子どもに限定されており、男性とセクシュアルマイノリティの多くは十分な支援を受けられていない。支援者の性規範が、支援の質や被害者へのまなざしに影響するのではないかと考えられるものの、その関連はこれまで未解明のままであった。 本研究では、インタビュー調査およびアンケート調査で支援者のジェンダー規範およびセクシュアリティ規範を明らかにし、支援の質や被害者へのまなざしにどのような要因が関連するのかを探究する。調査結果に基づいて、SOGIE概念に依拠した支援者養成プログラムを開発して提供することで、支援の質向上に寄与することを目指す。 2020年度は半構成的インタビュー調査を実施する計画であったが、COVID-19の感染拡大に伴い、対面での調査を進めることができなかった。2021年度にインタビュー調査およびアンケート調査を実施する予定である。 インタビュー調査およびアンケート調査は、以下(1)~(2)(具体的には①~⑨)の団体・組織に所属している人のうち、性暴力被害に関する状況や課題をある程度認識し、問題意識を共有している30名程度を対象とする。 (1)性暴力被害者をサポートする役割を担っている団体・組織(①性犯罪・性暴力被害者支援のためのワンストップ支援センター、②犯罪被害者支援センター、③性暴力被害者を対象とした相談事業(電話相談など)をしている団体・組織、④性暴力被害に関するテーマで活動している団体・組織) (2)従来の業務を遂行する過程において、性暴力被害者と関わる機会が多い団体・組織(⑤性暴力被害者を診察する可能性がある病院・診療所、⑥性暴力被害にあった女性に関わる可能性がある婦人保護施設、⑦性的虐待にあった子どもに関わる可能性がある児童相談所、⑧性犯罪被害者に対応する可能性がある警察署、⑨性暴力被害者の法律相談をする可能性がある弁護士事務所)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年度は半構成的インタビュー調査によって、性暴力被害者の支援に携わっている支援者のジェンダー規範およびセクシュアリティ規範を探究する予定であった。対象者の性規範を語ってもらうため、主として対面でのインタビュー調査を計画していたが、COVID-19(新型コロナウィルス感染症)の感染拡大に伴い、対面によるインタビュー調査を実施することが難しかった。そのため、2021年度に対面とオンラインを併用しながらインタビュー調査およびアンケート調査を進める予定である。
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今後の研究の推進方策 |
性暴力被害者の支援に携わっている支援者のジェンダー規範およびセクシュアリティ規範を探究するにあたり、2021年度はインタビュー調査とアンケート調査を実施する。 インタビュー調査およびアンケート調査は、以下(1)~(2)(具体的には①~⑨)の団体・組織に所属している人のうち、性暴力被害に関する状況や課題をある程度認識し、問題意識を共有している30名程度を対象とする。 (1)性暴力被害者をサポートする役割を担っている団体・組織(①性犯罪・性暴力被害者支援のためのワンストップ支援センター、②犯罪被害者支援センター、③性暴力被害者を対象とした相談事業(電話相談など)をしている団体・組織、④性暴力被害に関するテーマで活動している団体・組織) (2)従来の業務を遂行する過程において、性暴力被害者と関わる機会が多い団体・組織(⑤性暴力被害者を診察する可能性がある病院・診療所、⑥性暴力被害にあった女性に関わる可能性がある婦人保護施設、⑦性的虐待にあった子どもに関わる可能性がある児童相談所、⑧性犯罪被害者に対応する可能性がある警察署、⑨性暴力被害者の法律相談をする可能性がある弁護士事務所) インタビュー調査は、30名程度の支援者に対して半構成的インタビューを実施する。データから支援者のジェンダー規範およびセクシュアリティ規範が、性暴力被害者支援に及ぼす要因を探究する。また、アンケート調査は、インタビュー調査で得られた知見に基づいて結果に基づいて質問項目を作成する。調査方法は自記式質問紙調査(2,000部)およびWeb調査(3,000部)を行う。2022年度はインタビュー調査およびアンケート調査の結果およびSOGIE概念をふまえて性暴力被害者支援の支援者養成プログラムを開発し、その内容で研修を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度にインタビュー調査が遂行できなかったため、2021年度にはインタビュー調査とアンケート調査を実施する。
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