軟X線MCD顕微鏡は軟X線ビームをフレネルゾーンプレートによって集光し、磁気円二色性を利用して磁性体の磁区構造をナノスケールで描画できる走査型のイメージング装置である。試料表面の微小な凹凸や微傾斜がエッジ効果を生み出し、X線吸収像の定量的な解析を妨げていた。そこで、4象限型のフォトダイオードによる表面立体観察イメージング法を開発した。光電子の放出角度を演算的に導出することで試料表面の微結晶のファセットや微斜面の角度をX線吸収強度と同時に検出することを試みた。この同時計測によって、磁石表面形状と磁区像の対応が明確になり、永久磁石材料の磁化反転過程の研究に寄与できるものと期待できる。
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