研究課題/領域番号 |
20K12577
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研究機関 | 国士舘大学 |
研究代表者 |
土居 裕和 国士舘大学, 理工学部, 准教授 (40437827)
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研究分担者 |
山本 里佳 国士舘大学, 体育学部, 准教授 (40845468)
植田 一博 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (60262101)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 新体操 / 審判 / 熟達化 |
研究実績の概要 |
〔研究の目的〕本研究では、新体操審判を対象とした脳機能計測により、身体運動の観察と身体運動に関する評価経験の長年にわたる蓄積が、視知覚情報処理・意思決定を反映する脳機能活動にもたらす影響を検証する。そのデータを元に、身体情報処理の熟達化と、それに伴う脳機能の可塑的変化を明らかにすることを目的とする。 〔具体的実施内容〕異なるカテゴリーに属する新体操審判群間で、新体操演技を採点中の脳機能活動を比較する。 〔意義〕他者の身体運動情報の処理に関しては、バイオロジカル・モーション刺激や、可能・不可能姿勢刺激の処理を中心に精力的に研究が行われてきた。その成果として、ヒトの身体および身体運動情報処理に特異的に関与する脳機能領域の存在が示唆された他、ヒトは新生児期から、他者の身体運動に対して特異的反応を呈することが明らかにされている。これらの知見は、身体運動情報処理を担う脳機能の生得性を示唆していると考えられる。その一方で、少数ではあるが、ダンスなどの身体運動鑑賞・演技経験により、他者の身体運動情報処理過程が変化する可能性を報告した研究が存在する。本研究では、長年にわたり選手の演技評価訓練を行う新体操審判を対象として、身体情報処理過程とそれを担う脳機能活動の可塑的変化を検証する。これは、これまでその生得性が強調されることが多かった身体運動情報処理の新たな側面を明らかにすることにも繋がるため、その学術的波及効果は大きいと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、新体操審判を対象とした脳機能計測実施のための刺激映像を作成した。当初計画にしたがえば、脳機能計測実験に取りかかっているべき所だが、新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、計測実施を見合わせざるを得なくなった。このため、やや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
刺激は作成済みであるため、感染拡大状況が落ち着き次第、速やかに当初予定していたデータ収集にとりかかり、研究の遅れを取り戻す予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスの感染拡大により、当初計画していたデータ計測を見合わせざるを得なくなった。このため、未使用分を次年度使用にまわすことにした。今後、感染拡大状況が落ち着き次第、データ収集のため当該経費を支出する計画である。
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